いわゆる1つのテンプレ作品とは

 今回はちまたに溢れている、いわゆる『テンプレ作品』について語ってみたいと思います。


 実は最近とある方のご意見で「テンプレ作品は売れているし読まれている、それの何が悪いんだ?」という物を見かけまして、ちょっと思うところを書いてみたいな、となりました。


 テンプレ作品とはなんぞや? という話になれば、恐らくは私よりも皆さんの方が詳しいかもしれませんが、とりあえず『主人公最強』『追放』『ざまぁ』『悪役令嬢』『スローライフ』等のストーリーが長々と展開される小説を、ここでは便宜的にそうカテゴライズします。


 最初に断っておきますが、私は決してこのテンプレ作品という群体が嫌いではありません。ただ、もちろん好きでもありません。

 私の棲み家は文学とテンプレ作品の中間にある『ライトノベル』だと思っておりますので、その両方から美味しい所だけをつまみ食いしながら執筆活動をしていきたいと思っておりますw


 正確に統計を取ったわけではないので、申し訳ありませんが印象で語らせて頂きますと、現在書店で売れている小説はほとんどがこういったテンプレ物の様に思えます。実際それなりに売れているのでしょう。


 では『それの何がいけないのか?』という話ですが、これは文学を料理に例えると分かりやすくなる様な気がします。


 味噌汁1杯とってもキチンと鰹節等の素材から出汁をとり、具材も産地と旬にこだわった最良の物を料理して作る。例えるならこれが『文学』です。

 作る手間暇を考えるととても面倒くさいです。


 一方、袋から出して椀にお湯を注げば出来上がるインスタント味噌汁が『テンプレ』です。その辺の使い古された食材でも適当に入れておけば、それなりの見栄えになります。


 私の様なラノベ界隈は何でしょう…? スーパーで安売りしてた食材を出汁入り味噌で味付けする様なものかな?w


 丁寧に素材を調理して出来上がる作品と、自分ではお湯を入れただけの作品の違いとは何でしょう?


 今、界隈で問題になっているのは、上の例で「味が同じと感じる場合に貴方はどちらを選びますか?」という事なのだろうと思います。

 ちなみに『味が同じ』とは絶対的なものではなく、個々人の相対的な評価です。料亭の味噌汁とインスタント味噌汁を同じと捉える人はどちらを選ぶか? という事ですね。


 まぁお手軽な方に流れると思います。ニンゲンだもの(みつを)。正に『悪貨は良貨を駆逐する』ってやつですねw


 で、『何が問題か?』に立ち返りますと、「今後インスタントしか知らない作者と読者によって料理ノベル業界が牽引されていく」事が問題なのでは無いでしょうか?


 包丁の持ち方も知らない人が料理を語る世界になっていくのは問題でしょう。

 火加減水加減の分からない人が料理を語る(以下略)

 素材の良し悪しの見分けがつかない人(以下略)

 調理師免許(を取れない料理知識)の無い人(以下略)


「ゴチャゴチャうるせー! 俺はお手軽にインスタント味噌汁を飲むから放っとけ!!」


 という意見もあるでしょう。そして私はそれこそが真理であると思うのです。


 リアルの世界だって、味噌汁を飲みにわざわざ料亭に通う人はほとんど居ません。みんなインスタントでぱぱっと済ませちゃうでしょ?


 つまり既に『趣味:読書』という人の細分化は成されているのでは無いか? とも思っています。

文学好きな人とテンプレ好きな人は無理して交わらなくても良いんじゃないかな?w


 勢いで書いた雑な文章のせいで、言いたい事の半分も伝わった感じがしないけど、取り留めが無くなるのでとりあえず今回はこの辺で。

 今後、テンプレ作品のみの執筆で売れて『文章の何たるか』を知らない人が教壇に立つ様な事が起きない事を願うばかりです。

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