ラウンド8 チケット
? 「せーんぱい♪」
放課後、屋上で寝転がっていると、視界の上の方にアオイが顔を出した。
いつも通り、チャームポイントであるポーテールはルンルンと揺れている。
桜井 「…なんだよ」
アオイ「いやー、最近は素直に来てくれるなーって」
桜井 「お前があることないことぶちまけるからな」
アオイ「全部ホントのことじゃないですか、先輩が上(マウント)がうまいとか、守るのより攻めるのが得意とか、あと実は(落ちるのが)早いとか!」
桜井 「そーゆーのだよ! 知ってるか?お前がそういうことばかりしか言わないから、俺教室でただのそういうプレイが好きな変態だって思われてるんだからな!」
アオイ「えー、あ、ふふーん、そーゆーことですね先輩♪ もー、桜井先輩の、て・れ・や・さ・ん!」
その瞬間、頭の中でぶつりと音がした。
状態を起こし立ち上がる。
桜井 「とりあえずお前ボコるわ…うん、今すぐ産地直送で」
アオイ「え…えーっと、せーんぱい?…先輩あの、指ポキポキするのやめてくれませんか?」
そのあと、屋上にアオイの悲鳴が響き渡るのであった…。
10分後。
アオイ「うっ…ひっく…うぇぇ」
桜井 「…泣くなよ、特になにもしてないだろ?」
アオイ「お腹のお肉掴まれた…私もうお嫁に行けない…」
桜井 「はぁ…悪かったって」
アオイ「…あとでジュース奢ってくださいね」
桜井 「分かったから」
…。
あれ? なんで俺謝ってんだ?
すると、ふふっと鼻を鳴らしアオイはこちらに顔を向ける。
清々しいぐらいのいい笑顔をしていた。
アオイ「約束ですからね♪」
桜井 「お前性格わっる」
クスクスと笑う。そんなアオイを見てつくづく思うことがある。
最近、絶対にこいつにナメられてるわ。うん、間違いない。
アオイ「あ、そういえば…」
桜井 「次はなんだよ」
するとアオイは制服のスカートのポケットからチケットを取り出すと俺に渡した。
…え、これ…。
アオイ「日曜日昼の3時ですから、遅れないでくださいね♪」
そういうと、手をひらひらと振りながら屋上を後にする。
その背中を見送ると、もらったチケットに視線を落とす。
桜井 「試合…か」
なんだよいきなり…一言も言ってくんなかったじゃんよ。
その日もらった一枚のチケットによって、小さな物語は大きく動くのだった。
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