第六話 目的確認と鍛錬

「はあ……何かドット疲れた、一応寝てたんだが……」

『多分、俺と話してたせいだと思います』


  どういう事だ? まさかアイツと居ると精気を吸われるとかそんな感じか、幽霊だし。あまりアイツと会いたくないな。


『あの……一応考えてる事分かるんですよ。あと歩世です』

「……何でなんだ?」


 動揺を隠すため何事も無かったかのように疲れてる理由を聞いた。


『はぁ……あの世界は生と死の境にある空間なんです。あそこは怨霊からの手招きがあるんですよ。気づいたら怨霊をガイドにあの世ツアーをしていました。なんてこともあるかもしれません』

「……マジ」

『マジです……大丈夫ですよ五,六回ぐらい行き来してたら耐性ができますから』

「五,六回もじゃん、最初はどうするんだよ」

『まぁ……気合で頑張るしかないですね』


  俺は引きつった顔で苦笑いをした。正直に言うと呆れていた、いやマジで。もし僕があの世へ言ってたらどうするつもりだったんだコイツ。


 ……俺が死んだらどうなるんだ?


「なあ少し聞きたいんだかもし俺が死んだら歩世はどうなるんだ」

『消えます』

「……」


  即答。俺が尋ねた事にたいして、何か思い詰めるように何か思い返すように、何処かを見つめながら歩世は言った。多分だけどそうゆうイメージがした。何故か気まずくなり話題を変えるため話をふった。


「……そう言えば、憑霊石ってなんなんだ?」

『憑霊石ですか……説明が難しいですね。擬似魂の器とでも言いましょうか。取り憑くとその人が思う姿に変化する石です』

「へー……じゃあその石を探せばいいんだな」

『ほ……本当にいいのですか?』

「いいよ、前にも言っただろ、コタを探すついでだし」


  実際についでだしな。コタがこの世界に居るんなら見付けないと行けないし。異世界観光もしてみたかったんだよな。異世界と言えば! ってのを体験してみたいし。異世界行くんだったら火星だとか太陽系外が良かったけど。


『ありがとうございます……本当にどうしようかと考えてたんですよ。取り放しても三十分くらいしか離れられませんから』


 そんな縛りがあるのか。そんな事おいといて今後の方針決めないと。優先事項は

 一.コタローを探す。

 二.憑霊石を見つけ歩世を切り離す。

 三.地球に戻るだな。


「これからの事だけど」

『色々な国なんかを旅する事になりますから冒険者ライセンス取られた方がいいと思いますよ』

「……冒険者ライセンス。それって冒険者の証みたいなものでいいよな」

『後身分証明書でもあります』

「じゃあ、冒険者ライセンスを貰ったら、俺はコタを捜す歩世は憑霊石を探すでいいのか」

『はいあの冒険者に話せばギルドまで送ってくれると思いますが』


  あの冒険者、リベルタスさんか。そう言えばリベルタスさんの町に冒険者ギルドがあるって言ってたな。丁度いいし冒険者についても色々聞いといておいた方がいいか。もしかしたらコタや憑霊石の事を知ってるかも。


『ところで、スキル取得の続き何ですが……』

「他にもすぐに取得できるスキルあるのか」

『ありますよ。闘気と魔力の操作スキルです』

「どうやれば取得できるんだ」

『魔力と闘気の感覚は覚ていますか』

「ああ、覚えてるよ」

『魔力はその感覚を体内で循環させる感じで、闘気は体に纏う感じです』

「分かった」


  まず魔力からだ。あのビリビリする感覚を循環させる。循環、巡る、血液が身体中を巡る感じかな。


 ……キツイ、集中力が切れそうだ。


 《スキル『魔力操作』を取得しました》


「はぁ……はぁはぁ」


  疲れた。こんな事すぐに取れたからいいけどこれ体力と集中力をどっと使う。……闘気か。

 身体中を巡るあの感じを纏わせる感覚。……服を着るイメージでいいのかな。


 《スキル『闘気操作』を取得しました》


  闘気も魔力も体力と集中力をどっと使うな。こんなスキル使うひと本当にいるのか。しかもスキル使用時間一分持てばいい方だし。

 取り敢えず、汗を掻いたし疲れた汗を流して寝たい。


『収得できたら後は反復訓練をして最低三十分は持続できるようになるだけです』

「――エッ。これまだするのか」

『スキル取得しても使えなかったら意味無いですから』

「まあそうだけど、必要あるのか?」

『ありますよ、もし一人でいる時に魔物に襲われたらどうするんですか、逃げたところで今の君じゃぁすぐ捕まるのがオチですよ』


 ……確かにそうだが。魔力と闘気があればアイツが前にやったみたいに魔物を感知したりできる。そうすれば魔物と遭遇しない安全な道を通ることもできるはずだ。


『因みにですが魔力操作ができれば魔法が使えます、闘気を纏えば身体能力を上げられたりできますし』

「よし、訓練するぞ。ある程度保てれば魔法についても教えてくれ」

『はぁ……』


 俺は今熱烈に興奮している。だって魔法だぜファンタジー。異世界と聞けばまず頭に浮かぶのは魔法だろ。火の玉を放ったり、土の壁を作ったりと色々してみたい事あるんだよな。

 何故か歩世は苦笑いをしていたが無視だ。


 その後、ひたすら訓練をした。訓練の成果か5分位保つことができるようになった。歩世には感がいいと褒められ嬉しくてついやっているうちに夕方になっていた。そうこうしているうちにリベルタスさんが帰ってきて晩ご飯になった。


 この宿のご飯はパンとスープが基本らしい今回は奮発して鹿の肉を作ってくれた。何でもリベルタスさんが依頼こなしてくれたついでにに森にいた鹿を狩ってきてくれたそうだ。鹿肉は結構美味しかった。



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