第四話 幽霊と現状確認

またこの感覚だ。熱い、熱い……


 《■■■■■■■■■■■■『■■■■』■■■■■■■》

 《■■■『■■■■』■■■■■■■■■■■■■■■■■》

 《魂の記憶を解読します――スキル『愚人』を取得しました》

 《スキル『愚者』を取得しました》

 《所有スキルは『言語理解』『愚人』『愚者』『星願』です》


 《魂を解析を開始します――魂の改竄を確認しました処理を開始します――失敗しました》

 《純魂の保護を開始します――成功しました》


 《肉体を解析します――成功しました》

 《肉体の分解を開始します――成功しました》

 《肉体の改編を開始します――成功しました》

 《肉体を再構築を開始します――成功しました》


 《魂、肉体をシステムと繋げます――成功しました》


  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


『……さい』


 ん? この声どこかで。


『起きて下さい』


「ここは……」


 眼を開けるとそこは森だった。周囲は樹木が生い茂っている。鳥や動物の鳴き声が響き一切の雑音がしない。人の手が一切加えられてない自然に満ちた森、そういう感じかした。

 どうしてこんなところに、確か、学校にいたはずそこに……白い化け物が現れて、コタに手を引かれて……逃げようとして━━コタっ。


『虎太郎くんはいませんよ』

「――ッ!?」


 頭に直接響く感じ、この声たしか夢で。


『そうですね。一度、夢の中で話してますと言っても私の方から一方的に話し掛けているだけですけど』

「どこだ、どこにいる」

『君の心の中です、憑依――取り憑いていると言えば分かりますか。叫ばなくても頭で考えるだけで話せますよ』


 取り憑いている? 取り憑くって幽霊なんかがするアレか? 莫迦莫迦しい。


「……まさかオマエが僕達をこんな場所に運んだのか、オマエは誰だ、ここは何処だ、おしえろ!」

『大声を出さないで下さい』


 怒鳴り声が頭の中に響く。


「……す、すいません」

『一つずつ答えていきましょう。あなた方をこの世界に跳ばしたのは私じゃありません』


  跳ばした、この世界? どういうことだ。


『それは「ここはどこだ?」という質問ですね』


 ――ッ喋ってないのに。


『言いましたよ、頭で考えるだけて話ますと』

「そうなのか」

「おっ、本当だ。何か響いた」

『…………そうですか、質問に戻りましょう、「ここはどこだ」というの質問ですがこの世界はパンゲア、此処は……幻魔の大森林辺りだと思います』

「パンゲア……地理の先生の雑談にそんな場所があったような……」

『地球ではありません、ここは剣と魔法の世界……貴方は異世界転移したというところです』


 異世界転移ってあれだよな……剣や魔法のある世界で無双する、ってことは魔物とかもいるんだよな森とか洞窟とか……ん? 俺そんな危険な場所に居るのか。


「コタ、虎太郎はどうしたんだ! お前の言う世界ならコタが危ないじゃん」

『私が知ってる限りでは、光に包まれいましたからこの世界に来ていると思います。ですが何処に跳ばされたか分かりません』

「じゃぁ早く探しに行かないと」

『待てっ下さい、今動くのは得策じゃありません!』

「今日はここで休むのか?危険じゃないのか」

『少し歩いたら樹洞があります、此処で寝るよりかは安全です』


 少し歩いたら本当にあった。古くからある神秘的な巨大樹だ。樹洞は大人の人がぎりぎり入れるくらいの穴があり、なぜか安心感のある護ってくれそうなかんじだった。




 翌日、起きて樹洞から出ようとして立とうとしたけど立てなかった。節々が痛かった、兎に角痛かった、結局、身体中が痛く立つのに時間が掛かった。


『おはようございます――体……大丈夫ですか?』

「……おはよう」


 夢じゃなかった……アイツの声もするし、周りが樹木だらけだだ。取り敢えず森を出よう、途中何か食べ物でもあれば良いが……とにかく歩こう。


『どちらに行くんですか?』

「森を出るんだだよ」

『……なら西に行くと良いですよ』

「西?」

『この森から西に行くと村があるんです』

「村が……で西はどっちなんだ?」

『太陽は東から昇って西へ沈みます』

「それは、地球での太陽の動きじゃないのか?ここは異世界だろ」

『地球もパンゲアも同じですよ』


 そうなのか、太陽が……見えない。上を向いても木々が生い茂り邪魔になって太陽の位置が分からない。登って見るにしても木登りしたことないしな。


「なぁ……」

『西は右手の方角です』

「ありがとう」


 歩きながら色々なことを聞いた。


 アイツから聞いた話だと、この世界はパンゲアといい生命の樹セフィロトという神樹によって造られ保たれているという。地球もパンゲアも同じ大地だからか同じ生物が存在する。

 ただ、この世界には魔力が存在し地球と違う生命や物質も存在するそうだ。アイツが生きてた頃とだいぶ変わってるようで正しいかどうか分からないそうだ。



「ドラクエみたいな所でいいのか?」

『まぁそんなところです』

「ところでなんだがお前は誰なんだ?」

『そういえば自己紹介がまだでしたね……僕の名前は当然 歩世とうせん ほせ君と同じ昔、この世界に跳ばされてしまった日本人です』


 ッ――日本人! じゃあアイツもあの化け物に連れてこられてこの世界に……昔も同じようなことが起こっていた? ……なんで俺の中にいるんだ?


「お前もあの化け物に連れてこられたのか?」

『いや、連れてこられたのではなくて穴落ち……まぁ神隠しにあったというのが分かりやすいですね』

「……神隠し?」

『あっちでは幽霊とか霊界……オカルト的なものを研究をするサークルに入っていました。霊界へ通ずる扉があると耳にして捜してたら⋯⋯』

「この世界にいたと」

『恥ずかしくも』

「神隠しな――」


 ガサッ


「あの茂みな今動かなかったか?」

『ゴブリンですね』


 ガサガサッ


 茂みから出てきたのは身長120cmくらいの子供だ。ただ肌が緑色で人間とは思えないほど醜い顔をしていて額に小さな角がある。ボロい布を着ていて右手には太い木の棒を持っている。そいつはじっと僕の方を見てる。


「ゴブ……リン?」

「邪魔? ……いや人間」


 ゴブリンはそうつぶやきながら近ずいてくる。


 警戒してるのか足取りはゆっくりだ。だが逃げないとヤバい、ヤバい気がする、早く逃げないと。震える足に鞭を打ってひたすら走った。途中茂みや枝などで切りギズができだが無我夢中でひたすら走った。


「「「ギギェー!」」」


 3匹に増えてる!? 仲間を呼んだのか。

これじゃ――


「ワッ――」


 木の根か、膝から血がでてるが走れないほどでは無いが……ゴブリン達に囲まれた。


「はぁ、ここまでか」


 ゴブリン達は木の棒や木の槍木の杖を構えて近ずいてくる。急に眠気が襲ってきた。ここで終わりかさよなら異世界、少しくらいで良いから街や村を見てみたかったな。



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