霜を踏み躙るもの13
全身の血が急速に冷めていく感覚と肌が沸騰するように粟立つ感覚。相反する感覚に気分が悪くなります。振り返れば2人が同じく青い顔をして歯をならしていました。狂気の症状で言えばチックとかになるのでしょうか。まあ何にせよいつかの強制ログアウトよりマシなことは間違いないでしょうし、放っておいても大丈夫でしょう。
再び前を向きなおれば
「「「テケリ・リ! テケリ・リ!」」」
『ほウ、きさ「ちょっと待ってください」マ……ム? なんダ』
「メインの口以外の囀りがうるさいんですけど、それって止められないんですか? デフォルト?」
「「「「テケリ・リ! テケリ・リ!」」」
『アァ? いヤ、そうかワカった。だマれ……これデヨいカ?』
瞬間、彼(?)の身体のいたるところにあった口が急に静まります。
「……案外素直ですね」
「ビビってたのが馬鹿みたいだな」
「おやチャッカマンさん、もう大丈夫なので?」
「あぁ、思ってたより発狂が軽くてな」
「でしょうね」
「?」
まあ、あの時の私は並列思考の1つが発狂するくらいのショックを受けましたからね。多少過剰にナーフされても仕方のないことでしょう。
「ん~……あ、私も治りました!」
『……ん? オイ、まテ。なぜコのワタしがきさマのいうコトをきかネばならんのだ』
あ、今気づいたんですか。というか思っていたよりも人間臭いですね。
「いいじゃないですか、もう過ぎたことですし」
『……まぁ、よい。それデ、わたしになにヨウだ』
「すごいっ、段々流暢になってきてます!」
うーん、質問を受けているというのにこの怖いもの知らず。ラピスには敵いませんね。
『長く喋っていなかっただけだ。それで、返答はまだかね矮小さき同胞よ』
「野暮用です、それより今回はすぐに殺さないんですね?」
質問をしつつ目の前の怪物の反応を探ります。が、全身についた目はグルグルと不規則に回るばかりで反応どころか感情らしきものすら見当たりません。
あとラピス、私を殺したからって敵意を剝き出しにしない。
『取るに足らない木っ端というほどではないからな』
……ほーん? 木っ端「ほどではない」、ねぇ?
後ろ手(文字通り後ろに作った手)でラピスとチャッカマンさんにサインを出します。私を侮ったツケを払わせてやるとしましょう。おそらくあのお爺さんが言っていた「怪物」もコイツのことでしょうし。
「……名前を聞いておきましょうか」
『フ、フフフフフフ! そう来なくては! 我が名は
「そうですか、私はコロナ。取るに足らない木っ端ショゴスですが、今からあなたを殺します!」
私の合図で背後の2人が戦闘態勢を取ると同時、目の前にシステムウィンドウが現れます。
『
『
「『いざ尋常に』」
一瞬の静寂、間合いの探り合い、先手後手の攻防――――――――。
「『勝負!』」
ショゴス化したコロナと比べてなお数倍は巨大な
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