とある患者のカルテ
なろう版に追い付いたので更新頻度落ちます。
ばん
がい
へーん
―—――――――――――—―――—――――――――――—――
【患者】姉川 百音 F 4歳
【主訴】記憶の混同
【現病歴】
数年前からの軽度の神経衰弱及び虚弱体質
【既往歴】
右足首の剥離骨折
【身体所見】
BT 35.5℃ RR 21 SpO2 95%
【診療所見】
人格が少なくとも10に解離している模様
解離した人格の再統合も見られる
記憶障害は人格解離によるものと断定
脳に異常な活性化あり、原因は不明
#重度の解離性同一性障害の疑い
経過観察を続ける、異常があり次第対症療法で処置
―—――――――――――—―――—――――――――――—――
―—――――――――――—―――—――――――――――—――
【患者】×× ×× M 4歳
【主訴】記憶障害
【現病歴】
なし
【既往歴】
軽度の花粉症
【身体所見】
BT 36.6℃ RR 24 SpO2 97%
【診療所見】
心因性の罪悪感あり
軽度の拒食および重度の逆行性健忘あり、原因はストレスによるもの
#心因性の全生活史健忘の疑い
継続的な催眠療法で処置
―—――――――――――—―――—――――――――――—――
何だあの少女は。あれは……あんなものがの人間だというのか?
両親や妹の話では、控えめな性格の少女だったと聞いた。幼稚園の先生の話では、幼年時特有のいじめの被害にあっており目をかけていたと聞いた。だがあれはなんだ? 人の考えをすべて見透かすような、1人の人間と会話しているはずなのにまるで複数人の人間と同時に会話しているような。防衛機構の働きで人格解離が起こることはあるが、あそこまでの解離が人間の脳に可能なのか?
……もういい、これ以上考えるのよそう。これ以上はあの少年のように少女に精神を飲まれてしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます