第9話



ふぅ、ここまで来れば大丈夫でしょう。

なんだか随分時間がかかりましたが、メールボックスを確認します。

どうやら2通来ているようです。


……成る程、1通目は不具合への謝罪、2通目は緊急メンテの謝罪でした。

どうやら緊急メンテの補填である50000トゥルは既に配布済みのようで、この立方体が不具合の補填のようですね。


私は全ての不具合を踏み抜いているので、かなり良いものが期待できるのではないでしょうか?

兎に角、確認してみましょう。白色の立方体をインベントリに収納し、情報を見ます。




・停滞キューブ

イスの偉大なる種族の超技術によって創られた矛盾する箱(パラドボックス)。時空間を完全に理解した彼らの超技術は、万物の理を使用者の思うがままに捻じ曲げる。

イス人は既に滅亡しているため、製作技術は遺失している。

容量:無制限

収納限界:全ての非生物

付与効果:時間操作、遡行修復

内容

宇宙からの色の幼胚

ミスター・シャイニーの右腕




あ、これヤバイやつですね。




・宇宙からの色の幼胚

中は空洞に見える7,8cmほどの球体。

栄養の豊富な場所や浅い水に浸けておくと、2,3日で宇宙からの色の幼体が孵る。

幼体は1日に500のHPを得ることで成長し、1週間ほどで成体となる。

インプリンティング(刷り込み)可。


・ミスター・シャイニーの右腕

遥か昔に死亡した、とあるショゴス・ロードの右腕。

相応の覚悟が要るが、取り込めば大いなる災い(祝福)を得られるだろう。




「うわぁ…。」



うん、なんていうかですね? こう、運営の「お願いだから訴えないで!」っていう思いをヒシヒシと感じさせます。

まぁ、下手したらリアルでも発狂しかねないほどのリアリティでしたしね。過ぎたるは何とやらというやつでしょう。


運営からの誠意ということで、ここは黙って受け取ることとします。

というか、何気に容れ物も相当ヤバイですよね? 宇宙からの色と同レベルなのでは…?

あと、ミスター・シャイニーの存在でこのゲームの舞台が地球である可能性が出てきたのも地味にヤバイです。


……なんかヤバイしかいってない気がします。ヤバイですね。

ステータスを確認でもして気を落ち着けるとしましょう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


PN名:コロナ(21)

Lv:8

種族:ショゴス(捕食:通常6特殊1)

所持トゥル:50000トゥル

職業:メイド

副業:無し

HP:791

MP:711

STR:80

CON:59

SIZ:84(10)

DEX:7(13)

APP:ー(21)

POW:72

AGI:7(15)

TEC:7(9)

VIT:7

LUK:ー(276)

※()内は人間時

スキル

・〈ショゴス〉

・〈経験値取得不可〉

・〈魔法取得不可〉

・〈清掃Lv歪〉

・〈相喰嘲身〉

・〈餓鬼哀々〉


装備(人間時)

頭:無し

右手:無し

左手:無し

胴:無し

脚:無し

足:無し

アクセサリ:無し


装備(真の姿)

・無し


称号

[初めての発狂]

[血縁喰らい]

[百万の恵まれたるものの継承候補]

[庭師のお気に入り]

[庭師との邂逅]

[初代ショゴスプレイヤー]

[狂気の体現者]

[アイドル]


〈清掃Lv歪〉

床をピカピカにできる。


〈相喰嘲身〉

物理攻撃を受けた際、相手の武器もしくは肉体にダメージを与え、自身の空腹度を回復する。


〈餓鬼哀々〉

同族を食べることで発生するデメリットが増加する。

同族を食べることで発生するメリットが増加する。


[初めての発狂]

初めて発狂した。

ようこそ、ここが入り口だ。

効果:[検閲済]に+5


[血縁喰らい]

同族すらも喰らう歪な存在の証。

倫理や道徳で、腹は膨れない。

効果:なし


[百万の恵まれたるものの継承候補]

「「「「「期待しテイるゾ」」」」」

効果:なし


[庭師のお気に入り]

我が箱庭で足掻け(オドレ)や足掻け(オドレ)。

効果:なし


[庭師との邂逅]

「貴方にとっては初対面でしたね。此方は常に見ておりますよ。」

効果:なし


[初代ショゴスプレイヤー]

プレイヤーの中で初めてショゴスを選択したものの証。

キャラクターデリートすると、その次にショゴス選択したプレイヤーに引き継がれる。

効果:SIZとAPPを除く全ステータス+1


[狂気の体現者]

他者を状態異常:不定の狂気に陥らせたものの証。

その目が孕む狂気は他者に伝播する。

効果:なし


[アイドル]

一度に30人以上から好意的視線を受けたものの証。

その者の笑顔は他者に伝播する。

効果:NPCからの好感度の上昇率に補正


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「……」



あー、うん。えーっとぉ……。








ヤバイですね。






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