第2話
さて、今日は7月31日、モンスタのサービス開始前夜です。ついに待ちに待ったモンスタのソフトが届きました。
因みに、前日に届いた理由はサービス開始前に解析される可能性があるからだとか。マジックラフトのソフトを解析出来るような人が果たしているのでしょうか?
っと、それはさておきです。
「……」
困りました。何かの手違いでしょうか。
私の前にはモンスターのソフトが二本。それに対して私が応募したのは一本。
片方は言わずもがな私が当てたもの。抽選を当てるのも私の特技のひとつですからね。
さて、問題なのはもう片方のソフトです。取り敢えず送り主を確認します。
「えーっと……ありました、これですね。なになに? Magicraft Company……マジックラフト・カンパニー……マジックラフト社ァァァァアアア!?」
予想外過ぎる送り主に震える手を抑えつけつつ、共に送られてきたハガキを読みます。
『この度は、我が社のソフトに対し非常に価値ある意見を下さり、ありがとうございます。
細やかなものですが、返礼の品としてお納めくだされば幸いです。
モングラル・スタッカー開発代表 英賀保 雅』
ふう、成る程、取り敢えず落ち着きましょう。ソークール、ソークールですよ私。こういう時に大切なのは現状把握です。
要望メール送る→対応してくれる→さらに謝礼としてソフトが送られてくる
……最後の流れが最早意味わかりません。が、何がともあれ
「太っ腹すぎる……っ!」
怖い、怖いです。何か裏があるんじゃないかと疑ってかかるレベルです。怖いですが…ここは素直に受け取っておきましょう。
予想外にも程がありますが、期せずしてモンスタが二本手に入りました。というわけで…
「十華ー!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「応募しないで手に入れるとか、お姉ちゃんがお姉ちゃん過ぎる……」
「おい待て、どういう意味だ」
十華にも説明したところ、先のような答えが帰ってきました。私はいつ形容詞化したのでしょう?
「ってことで、十華もやらない?」
「えー、あー、うーん……部活あるからお姉ちゃんとはあんまり一緒にできないよ?」
「へーきへーき、ソロでやるつもりだから」
全部一人でやろうとするし実際出来るから、私がパーティプレイ苦手なの知ってるでしょうに。
「あぁうん、お姉ちゃんリーダーシップはあってもフォロワーシップは皆無だもんね」
さっきといい姉に対して失礼な妹ですね。晩御飯は十華の苦手なピーマンをふんだんに使った野菜炒めにしましょう。
「な、なんか悪寒がしたんだけど。……まぁ、そういうことなら私もやろうかな」
「そう。じゃあ、はいこれ」
「ありがと。いやー、やりたかったけどお金なかったんだよねー」
さて、それじゃあ明日に向けて寝るとしましょう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さて、やって来ました明日もとい今日、サービス開始日です!
現在時刻は11時00分、サービス開始は12時00分からなので少し時間があります。キャラメイクだけやっちゃいましょうか。
モンスタのソフトをVR機器本体へと挿入し、ヘッドギアを装着します。
因みにこのソフトはマジックラフトからいただいた方で、私が当てた方を十華が使います。
一分ほどでローディングが終わり、タイトル画面へと移行しました。
さて、ついに私のモンスタライフが始まりますよーっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます