第207話 四恩醸造株式会社 「薔薇」
そのラベルも美しい絵画である。
書かれているのは、ピンク色の美しいバラ。
「このワインって、この間と同じワイナリーですか?ラベルの絵が似ていますね」
「そうだよ、この間の仄仄が美味しかったからね」
今日の飲むワインは
山梨県山梨市
四恩醸造株式会社 「薔薇」
グラスに注ぐと華やかで複雑な香り。
口に含むと、豊かな果実味とともに柔らかな酸。その後にタンニンが余韻として心地よい。華やかさは、たしかに薔薇。
健司の好みの味のワインだ。
こういうワインに出会うこともある。日本にもまだまだ色々なワインがある。
だからワイン探しは、やはりやめられないと思った。
「これは、美味しいな。とても、この値段と思えない」
「本当に美味しいですね」
合わせる料理はビーフシチュー。ブロッコリーや新じゃがいもなど、野菜が多め。
このワインなら、他にも色んな料理に合いそうだ。
「ところで、健司さん。ちょっと気になったんですが?」
「ん?なに?」
「最近、ワインセラーにワインが入り切らなくなっているんじゃないんですか?ちょっとカイすぎと思うんですけど」
確かに、最近は新作のリリースなどが多くたくさん通販で注文してしまった。
ワインセラーに入り切らずに戸棚とかに保管している。夏になって暑くなる前にはなんとかしないといけいないとは思っていたんだが・・・
「う…しばらくは自制するよ」
「ありがとうございます」
ニッコリと笑う美月。
でも、健司は思っていた。
美月の買ってきた本(主に漫画)が本棚に入り切らなくなって溢れてきている。
そちらも、考えたほうがいいんじゃないだろうか?
だが、思ってはいても口には出せなかった。
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