第144話 シャトーホンジョー マスカットベリーA 2007 くれなゐににほふ
「先ほどのワインがお気に召したのであれば、こちらのワインはいかがでしょうか?メニューには載せていないのですが」
ソムリエが勧めて来たワインのボトル。
美しいラベルに書かれた文字が気になった。
しかも、このワインもビンテージと言える年数。
そのワインは
山梨県甲州市 岩崎醸造株式会社
シャトーホンジョー マスカットベリーA 2007
”くれなゐににほふ”
限定1200本と記載されている。
ラベルに記載された話では、「伊勢物語」から名前を付けたとのこと。
「岩崎醸造って、勝沼のワイナリーがたくさんある通りの”あの”交差点にあるワイナリーですよね?」
ソムリエさんに聞いた。
「おや、ご存じでしたか。その通りです。なんでも、1941年からある老舗のワイナリーとのことです」
美月が聞いてくる。
「あの交差点って、どこですか?」
「ほら、あの犬のいた池田ワイナリーの次に行ったところですよ。交差点の角にあるので目立つところです」
「あ・・あそこですか?たしかに行きましたね」
グラスに注いでもらうと、粘度の高い液体。
口に含むと、マスカットベリーAなのに甘すぎないそれでいて香り高いワイン。
少し、マスカットベリーAらしからぬ癖のあるワインではある。
「あ・・このワイン好きです」
美月が言う。
「香りがいいですね。名前の通りです」
このワインとステーキ、なかなかいい組み合わせ。
とても素晴らしい夕食でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます