第123話 ワイナリーに行こう! 長野県上田市 シャトーメルシャン 椀子ワイナリー

東部 湯の丸ICを降りる。

HPの地図を見たが、その地図ではたどり着ける自信はなかった。

住所をナビに登録して目的地をセットしてある。


「おや・・この道は通ったことあるな」

「え?そうなんですか?」

「一度、塩尻から東御市に行くときに通った道だよ」


ふと、交差点の横に小さな看板があるのを発見する。

小さいので見過ごすところであった。

椀子ワイナリーの文字と左への矢印。


ここを曲がるのか?


結構細い道を曲がってしばらく行くと・・

開けた丘に出た。


ブドウ畑が続いている。

その丘の上に白い近代的な建物が立っていた。


これが、シャトーメルシャン椀子ワイナリーである。


このワイナリーは2019年にオープンしたばかりと聞いている。

だが、「ワールド・ベスト・ヴィンヤード 2020」において世界第30位に選ばれたのだ。

なので、最近TVでも放送されたりしている。


駐車場に車を止めて、建物のほうに歩いていく。

「見てください、このカボチャ、ボトルをくわえてますよ」

ハロウィンは終わったのだが、カボチャのお化けがおいてある。

その口にはワインのボトル。

ちょっとかわいい感じかもしれない。

「それにしても綺麗な建物ですね・・」

「それに・・大きいね」


入り口を入ると、受付に女性がいて説明をしてくれた。

ワイナリーショップは2階にあるようだ。またテイスティングもできるらしい。


1階では、ガラスの向こうに大きなステンレスタンクがある工場を見ることができた。

「なんか、近代的ですね・・」

「そうだね、大きなタンクだしね」

「さすが、有名なメーカーだけのことはありますね」


2階にはエレベーターで上がる。


2階は一面がガラス張りとなっていてテラスもある。

「すごい眺めですね~」

「本当だね、見晴らしもすごいいいし。ブドウ畑がずっと続いているね」

遠くには山々も見える。

本当に眺めの良い場所である。

「紅葉も綺麗ですし、いいところですね」


2階ではテイスティングカウンターがありテーブルと座席が結構たくさんある。

「テイスティングしていきますか?」

「う・・遠慮しておきます・・」

「我慢しなくてもいいんですよ?」

「いや・・・帰りも運転したいですし・・・」

我慢しなくても良いのに・・


代わりに、ワインをたくさん買っていくことにする。

美月は、あるワインの値段を見て固まっていた・・・


椀子Omnis その隣には 桔梗が原メルローシグナチャー

「え・・・ええぇ・・?」

どちらも、とても美味しかったと記憶している。

遠慮なくグビグビ飲んだ覚えがある。


え~・・・

こんな高い値段だったの!?


それを見た健司が声をかけてくる。

「このワインのomnisはラテン語で”全て”という意味らしいですよ。

 このワイナリーで取れる、赤ワイン用のブドウ全種類が使われているらしいですね」


今度からは、しっかり味わって飲もう・・・


「ここのワイン、取れたブドウの場所で名前がついていて面白いね」

健司が2本のワインを手に取る。

北信左岸シャルドネ と 北信右岸シャルドネ。

「これ、両方買っていこうと思うんです。飲み比べると面白いかも」

「へぇ・・どう違うんでしょうね?」

「飲んでみないとわからないですが・・面白そうじゃないですか」


同じブドウ、同じ年、同じワイナリー。

でも、取れた場所は違う。

どう味に違いが出るか・・家に帰って飲むのが楽しみである。


建物を出て、周りのブドウ畑を見る。

黄色く色づいており、綺麗である。

ここのブドウ畑は手を触れなければ入っていいと言われた。


健司と美月はしばらくブドウ畑を散策した。

秋の空気は涼しくて心地いい。


「健司さん、次はどこに行くんですか?」

「もうそろそろお昼ご飯にしましょうか?ここでは食べれないようですから」

ランチBOXもあるようだが予約制らしい。


「いいですね、どこに行くんですか?」

「上田市にはワイナリーが経営しているカフェがあるらしいですよ。そこに行きましょう」

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