第63話 食前酒 とちおとめのリキュール

「いらっしゃいませ。来ていただいて本当にうれしく思います。」

メニューを渡してくれる。もちろん、レディファースト。

「こちらが本日のメニューになっております。」

ここのディナーはコース料理でメニューは決まっているが、いくつか選択肢がある。

「魚料理は、那珂川の鰻か鮎かをお選びいただけます。メインの肉料理はこちらの3種類からお選びいただけます。」

鶏肉・・ジビエ・・ステーキ。

「瀬戸さんは希望あります?おすすめは那須北和牛のステーキですよ。」

「で・・・ではそれでお願いします。」

まだ緊張しているみたい。

「食前酒はお持ちしたほうが良いでしょか?」

「お願いします、二人とも大丈夫です。」

「かしこまりました。」


瀬戸さんは、まだ緊張しているようだ。

ちょっと驚かせすぎたかな?


このまま料理を食べても、味がわからなかったらかわいそう。

リラックスさせてあげよう。


「瀬戸さん。緊張しなくても大丈夫ですよ。ほら、向こうでは子供の声がするでしょう。」

「え・・・?」

別室になっているらしい方向から子供のはしゃぐ声がする。

所詮、夏やすみ。

セレブばかりが来るわけではない。

「ね。そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。おいし料理を楽しまなきゃね。」

「は・・はい」

まだ、ちょっと緊張しているようではあるが、少しは余裕が出るといいけど。

「おまたせしました、こちらは地元の特産であるとちおとめを使ったリキュールになります。」


栃木の名産の苺を使ったリキュール。

苺の香り漂う食前酒。

甘すぎず、さわやかなお酒である。

「あ・・・おいしい・・」

瀬戸さんも気に入ったようだ。

「苺の香りがいいですよね。」

「はい、こんなの初めてです。」

すこし、リラックスしてきたかな?


「いらっしゃいませ。こちら、ドリンクのメニューになります。」

髭が特徴的なソムリエさんがメニューを持ってきてくれた。

メニューを見ながら質問してみる。

「おすすめはありますか?」


「では、変わったところで・・・地元の栃木のワイナリーで作られている白ワインで。

マスカットベリーAで作られた、白ワインなどはいかがでしょうか?」


ん・・・?聞き違いだろうか?

A


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ワインもメニューもうろ覚えなので適当です。

というか、ワインは当時ないものをあえて出しています。

このホテルに行ったことのある人は、違うと思うかもしれませんがご容赦ください。

なにしろ、写真をとると場違いな気がして撮っていないのです。




那須にはこの当時総料理長だったムッシュがオーナーのレストランがあるので行ってみてはいかがでしょうか。あいかわらず見事な料理で感激します。

沼津には当時の支配人がいらっしゃると風のうわさで聞きました。

那須の別なところには、この8月からスウィートビラができたそうです。


落ち着いたら、私もそれぞれに行ってみたいです。

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