第61話 ホテルでのんびり からの・・・・
(瀬戸さん視点)
おしゃれなホテルのスイートルームで2人きり・・・
私の人生の夢が一つかなってしまいました。
「瀬戸さん、大丈夫?シャンパンって意外とアルコール度数高いから、無理しないでね。」
ただし、今はすっかり酔っぱらってしまっているのですが・・・
片方の窓からは池が見えています。
水面を揺らす風が気持ちよさそうです。
片方の窓からは緑の木々が見えます。
どちらも素晴らしく、美しい景色です。
「このホテルは本当に広くて、敷地内に川が流れているんですよ。あとテニスコートや遊歩道があって散歩にはいいですよ。」
「いいですね・・・後で一緒に行きましょう~。」
ただし、酔いがさめてからにしてください・・・
和室の畳の上ですっかり気持ちよくなってしまっています・・・
「まぁフルーツでも食べますか?」
すすめられるまま食べてみます。
あ・・・おいしい。ブドウの酸っぱさと、メロンの甘さと。
しばらく、ぼんやり過ごしていると、早乙女さんが言う。
「そういえば、ホテルに温泉があるって言いましたよね。行ってみます?」
「行きます!」
温泉は2か所あるそうである。内風呂と、露天風呂と。
まぁ、どちらも男女別だそうだけど。
いまは、内風呂。
広くて気持ちがいい。
ぼーっと湯船につかる。
幸い、他にお客さんはいない。独り占めです。
今夜のことをちょっと考える。
寝室にベッドは2つあるけれど・・・。
もしかしたら、もしかするかも・・・同じ部屋で寝るのだし。
ドキドキしてきた。
下着は・・新しく買ったのを持ってきている。
ドキドキ・・ドキドキ・・・
のぼせる前に出よう。
温泉を出ると早乙女さんが待っていてくれた。
「ミネラルウォーターですが、瀬戸さんも飲みますか?」
「はい・・・」
ドキドキして顔が見れない。
温泉を出て、しばらく敷地内を散歩しました。
きれいな川が流れていて気持ちがいい。
「もう少し早い時期なら蛍も見れるんですけどね。」
蛍かぁ・・綺麗なんだろうなぁ。
しばらく散歩してから部屋に戻ってきた。
もうすぐ、夕食の時間だとのこと・・・。
そうか、身支度もあるでしょから。
「じゃあ、着替えるのでちょっと待ていてくださいね。」
「はい、私も支度しますので。」
なんとなく、早乙女さんが、ニヤッと笑った気がしたのは・・気のせいでしょうか?
私は洗面所でお化粧直し。
服装はこのままでいいよね。
フランス料理か・・何度か食べたことがあるけど、ここはおいしいと早乙女さんが言っていたし。期待してしまう。
美味しいものが食べられるかな・・・。
リビングで待っていると、和室で準備していた早乙女さんが戻ってきた。
「お待たせしました。そろそろ行きましょうか。」
「え。。。え?? その服装・・・。」
「どうしました?」
どうしましたじゃないです・・・
薄いブルーのシャツにライトグレーのジャケット。黒のパンツ。
ジャケットはスーツとは明らかに素材が違う。
そのポケットには白いポケットチーフ。
ネクタイこそしていないが、結婚式の2次会でも見ないようなおしゃれなコーディネイト。
髪はワックスで整えられている。
つまりは、すっかりドレスアップした早乙女さんがそこにいた。
「え・・・着替えるって・・・」
「あぁ。夕食はフランス料理なので、それなりの服装でないとね。」
え・・それなりって。そこまで気合入れないといけない所だったんですか~
~!?
途端に自分の服装が気になった。
え・・そこまで正装しないといけない所なんですか???
私の服装、大丈夫でしょうか???
1泊なのに、なぜか早乙女さんの荷物が多いとは思っていたのです。
まさか、ディナーで正装するなんて・・・。
部屋を出るときに、早乙女さんはスニーカーでなく別な靴に履き替えていたのです。
ブラウンのウィングチップの革靴。いまだかつて見たことがないくらい高そうな靴。
うわぁ・・・・こんなにおしゃれな男性初めて見た。
ぼぉーっと見とれていると、早乙女さんがエスコートしてくれた。
「さぁ、ディナーに行きましょうか。」
これはもう、早乙女さんに任せてついていくしかない。
この夜のディナーは、生涯忘れられない体験となった。
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