第43話 カフェにて
私(ミキ)と美月は日曜日にカフェでお茶をしていた。
「それで、その後早乙女さんとはどうなの?」
美月にカマをかけてみる。
すると、暗い表情になる美月。
「あれから何もないんだよね・・まぁ私もあまり連絡していないんだけれど・・・」
「ふうん、じゃあ、自然消滅ってやつ?」
まだ付き合ってもいないはずではあるのだが。
「それは、絶対にヤダ。」
この娘がそんなに男性に執着するのは珍しい。というか初めてである。
窓の外に目をやりながら、美月がつぶやく。
「でも、どうしたらいいのかわからなくて・・・」
まぁ、恋愛経験ゼロだからねえ。
そういう私も、この間はものの見事にスルーされてしまった。
本当に彼女はいないのだろうか?
いっそのこと既婚者なのでは?
「どうしたらいいと思う?ミキちゃんは恋愛経験豊富なんでしょ。」
「まぁ、深く考えずタイミングが来たらぐいぐい行けばいいんじゃない?」
適当に言って見る。
私だってあの男を落とすのにどうしたらよいかわからないよ。
それにしても、美月はさっきから時々窓の外をちらちらとみる。
何を見ているのかと、私も外を見てみる。
外に見えるのは走っていく車。
あぁ。早乙女さんと同じ車種を見ていたのか。
「早乙女さんの車でも見かけたの?」
からかってみる。
「ううん、おんなじ車なんだけどね・・・」
この娘。相当、ダメになっている・・・頭の中、早乙女さんのことしか考えてないんじゃない?
「あれは、早乙女さんじゃないでしょ。運転しているの女性だし。車の色も違うし。」
「そうなんだけど、つい気になるの・・・」
「もう・・・ちょっとは、頭冷やしなさいよね。」
すっかり、恋にやられちゃってる。
こんなになっちゃとはねえ・・・
「ところでミキちゃん。」
「なんだよ、急に。」
「なんで、早乙女さんの車の色を知ってるの?」
ちょっとその顔、そうとう怖いんだけど・・・
そのあと必死になって、”ほら、この間話してくれたじゃん”などとごまかすのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます