04. Battle
「
夜警に行く準備をしていた
いつも笑顔を絶やさない彼にしては珍しく落ち込んだ顔をしている。
どうしたんだ?と視線で問えば、言いにくそうに口を開いた。
「実は…
2か月くらい前に死神たちの“霊力狩り”から救い出した少年。
あの日からずっとここで一緒に生活しているものの、
「そうかあ…。彼の身に起こったことを考えれば、仕方がないのかもしれないね。今はもう少し様子を見よう。ただし、夜は出歩かないように注意してて」
「…わかりました…」
■■■
「
真っ青な顔をしたウィンが、夜警を終えて戻ってきた
その慌てぶりから云わんとしていることが分かった
「ウィン、行くぞ!」
「はいっ!」
そうして、ウィンと
■■■
「へえ~、こんなに美味しそうな人間がまだ居たとはねー」
久しぶりに狩りに出た
死神センサーに反応した方に行ってみれば、まだ高校生くらいの男の子。
しかし、纏う霊力は極上のエモノ。
紫都は思わず舌なめずりをして近づいた。
「誰だよ…っ!!!」
しかし、薄ら笑いを浮かべたままの
「死神、かな。それにしても、まだ君みたいな子がいたなんてねえ…」
「くっそ…!死神かよ!!」
嫌なことを思い出し、思いっきり眉をしかめる
「いいなあ、その顔。食べちゃおうかと思ったけど、死神にするのも悪くないねえ。そうしよっか」
「お、おれは!死神になんてならないっ!!」
ギッと睨み付ける
一振りすると、一瞬で死神のあの巨大なカマに変化する。
身長よりもずっと大きなカマを見て怯えたような目を見せた
「Welcome to my world...」
キィィィィィ…ン!!!
「…悪いけど、この子は渡せないよ」
突然聞こえた甲高い金属音と静かな声に驚いて目を開けると、目の前には真っ白な背中。
片耳から垂れ下がるモノに見覚えがあった。
さっきまで自分を匿ってくれた人。
自分が逃げてきた人。
「…
相手はさして驚いた風もなく
「この子は僕の保護下にある。死神なんかにさせるつもりはないよ」
いままで見てきたこの人の持つ雰囲気とは違う怜悧な様子に、
少年は一瞬びくりと肩をすくませたが、ウィンの顔を見るとほっとしたような顔を見せた。
「帰ろう」
短く告げる
そんな
「まさか、この私が、君たちをこのまま帰すとでも?」
「…ここが僕の
そう冷たく言い放つと、
振り返った
「今日のところは手を引くよ。次に会ったときは、その少年ともども、私たちの仲間にしてあげよう」
「………行こう」
その後ろをウィンと
口元に笑みをたたえながら…。
「つくづく、君は面白い男だね…
次の瞬間、その場にもう、怪しげな笑みをたたえた男はいなかった。
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