03. Nightmare
『ユウ兄…
どうしてオレを助けてくれなかったの…?
どうして…
どうして…
ねえ、ユウ兄…』
深夜。
弟…
答えられないでいると、突然、
―――――『 』―――――
■■■
「
穏やかな朝日が窓から入ってくる。
そのまま起き上がり、着替えを済ませてリビングに下りれば、昨日連れてきた少年、
その穏やかな寝顔に、一瞬、
はっ…として、
見回りと、墓参りのために…。
「
形だけの墓…。
この場所に、
ただ、魂が眠る場所として墓を作った。
いつかその肉体が、骨が、入るべき場所として。
座り込んだその場から、朝焼けを眺めた。
今日も穏やかな日であるように…と願わずにはいられない。
しばらくそうしてぼんやりしていたが、そろそろ心配性の同居人たちが騒ぎ出すころだと思いだし、腰を上げる。
最後にもう一度、手を合わせて…。
■■■
「ただいま…って、どうしたんだ?ウィン」
「どうしたんだ?じゃないですよ!いつまで待っても起きてこないから心配になって見に行ったら、部屋にも家の中にもいないし!どこ行ってたんですか!!!」
家に戻ると、玄関先で待ち構えているはちみつ色の髪の青年、ウィン。
一足遅かったか…と苦笑いで文句を聞き流しながらリビングに目をやると、じっとこちらを見ている
これでは完全に
「ごめん、ごめん。見回りついでに散歩しちゃったんだ」
「剣も持たずにいなくならないでください…。
そういうと、それまで厳しかった目元を緩ませるウィン。
今にも泣きそうな顔を見て、相当心配させていたことを今更実感する。
「さ、遅くなりましたが、みなさん、朝ご飯にしましょう!」
ウィンの明るい声がリビングに響く。
今日もこの声が、笑顔が、曇らずいてくれれば…。
みんなが楽しく過ごせれば…。
そう願う
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