あまりにも調子よく進み笑いが止まらない
笑いが止まらない。
別に俺は狂ったわけでもないし、ワライダケを喰ったというわけでもない。
そう。俺は目の前にある(と言っても金額計算効果付きの魔術収納袋にだが)大金の額に笑いが止まらないのだ。
クリームの予想では5分で客1人だったが、魔術の改良によって相談込みでも2分で1人を捌けるようになた。
流石に慣れてないこともあって最高効率では裁けなかったが、頑張って慣れればよいだろう。
そして想像以上に客が来て一気に大繁盛!10時に開始し現在休憩の13時。大よそ3時間程度の働きで金貨3000枚(金貨1枚=大体1万円)となる。
控えめに言って最高じゃないか。
おっと。これ以上笑うとゴエさんに笑われてしまうからな。これぐらいにしておこう。
昼食を食べる休憩時間はこれぐらいにして、また稼ぎますかー!。
そんなわけで俺はその後1時間無いほど魔術を使用し、午前中込みの合計で金貨4000枚ほどを稼いだ。
そして倒れた。
世界が歪んで見えとても気持ち悪い。
この感覚はいつも味わっている。恐らくは……
「魔力切れです。何やってんですか。」
そう学園長に怒られる。
恐らくは魔力の使い過ぎによって倒れたのだろう
「いやぁ。計算上は問題なかったはずなんですけどねぇ。」
そうだ問題は無かったはずだ。そもそも今の俺が、魔力をギリギリまで込めているとはいえ小魔術以下の術式を使うなんて1日中しても倒れないだろ……あ。
「そういえばエンチャント形式にしたの忘れてましたわ。」
エンチャント。主に物を強化する用に使われる魔術。
正確には”複数の術式を展開して、特定の物に特殊な術式を刻み込む”と言う術式なため、強化以外でも今回のように人造魔剣の制作ができたりもする。
ただし消費魔力は確実にあがるわ、更に言えば人造魔剣の術式には暴走ギリギリの魔力を込めているわで予想以上に魔力を消費してしまたらしい。
「えんちゃんと?とは分かりませんが、もう少し自分の体なんですから……労わって上げてくださいね。」
「そこそこ労わっているつもりなんですけどね。今回のは完全に自分の失敗ですから」
「って!今何時ですか!?」
「もう夜で即売会は終わってますよ。」
なんてことだ。大金を稼ぐチャンスを逃してしまった!。
いや待て。そもそも今後稼げるのか?。
念のためいつもかけている強化魔術を解除していて、働けるのはギリギリ4時間程度。
稼ぎは大よそ金貨4000枚。捌く効率を上げたとしても、魔術の使用可能回数を考えれば効率的にさばいても意味はないだろう。
ボイスチェンジの術式を書いた魔具を使うのをやめたとしても、合計で4500枚が限界だろう。
合計金貨1万3000枚。目標まで残り金貨7000枚。
金貨7000枚かぁ。行けるのか?。
ギリギリいけなさそう。地球の魔術の改変魔術だから、アリシャやクリームに教えても習得に時間がかかるのもきつい。
高難易度の魔術は理解しなければ使用することはできない。
故に極大魔術と言われる、複数の術式を同時に展開しシナジーを生み出す魔術の使用者は殆どいない。
一応はエンチャントの魔術自体はある程度教えてるが、今からすべてを急ピッチで叩きこんだとしても間に合わないと思う。
「ということで競売で金貨6000枚を稼げると思うか?」
「今の反響的には余裕かと。恐らくは錬金の魔術師が競売に絡んでくると思われるので、それだけで目標の金貨2万枚は達成できると思います。」
俺が苦悩した時間を返してくれ。
「そんな馬鹿高い金払って買うのか!?」
「まあこんだけ話題になっていますからね。今後人造魔剣の作成を可能となれば儲けれますし、魔術師を雇っている商人に二つ名魔術師の参戦します」
「最低でも万の桁には行くでしょう。場合によっては10万の位になるぐらいには儲かります。」
前世の魔術では剣と魔術を合わせるのが基本だったため、俺はいまいち魔剣のすごさを理解しきれていない。
まあ環境的要因があるだろう。
地球では魔術が使えるってのがスタートラインだったが、こっちの世界では魔術が使えないでも強化魔術だけで戦える人間が多い。
正確には魔術が使えなくても戦えなくはないが、結局は強い魔術師に殺されてしまった。
故にわざわざ人造魔剣を高い金払って使うような人間はいなかった。
故に魔剣と言われる剣の概念も違い、地球では”デメリットがある代わりに凄い剣”の全般を指す言葉だった。
そんなわけで、こっちの世界の魔剣のすごさがいまいちわからない俺はいまいち現実についていけていない感じはする。
しかしアリシャやクリーム、学園長がものすごく驚いている点からもかなり凄いのと思う。
故に自分の作り出した魔術を信じ、あと2日頑張ることとした
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