中級悪魔
「あれは中級悪魔ですね。」
そう学園長は断言する。
中級悪魔。下級悪魔並かそれ以上の肉体を持つ上で
前に戦った下級悪魔は半ば不意打ちの形で一撃をもらって不利な状態だったとはいえ、かなりの強敵だった。
その下級悪魔の強さに知能が加わり、場合によっては肉体も強くなっている相手が3人、何か食べながら話をしている。
休憩所の広さは10メートルより大きめの部屋程度。まともに戦うと広さ的に非常に厳しい。
「水泡」
学園長が凛とした声で魔術を発動させる。彼女が腰につけている
水中に2つの水の塊が浮かぶ。
「一応言っておきますが、こちらで処理をするので手を出さないでくださいね?」
手なんて出したくない。出したら殺されるかもだし。
「形状変化・
そういうと、水の塊が形を変え
学園長の術式は不思議で、
故に不意打ちに置いてはかなりのアドバンテージを得られるだろう。
学園長はそのまま休憩所が見える位置まで進む。
「貫け」
凛とした声で宣言する、直後2つの槍は手前にいる中級悪魔へと飛んでゆく。
槍が頭に刺さる。いや貫通し地面に突き刺さる。
学園長の攻撃により2人の中級悪魔の頭が無くなる。
「
直後突き刺さったであろう水が刃へと形を変え、残り1人の悪魔の悪魔の両腕を切り落とした。
「縄」
更に刃は縄へと形を変え、両腕を切り落とされた中級悪魔を結び足と羽を動かせないようにした。
「なにが!?」
中級悪魔がこちらの存在を認識する暇すら与えず、学園長は2人を始末し1人を無力化することに成功した。
「なんだそりゃ……」
実力差に打ち負かされ呟く。別に勝負をしていたわけでは無いにしろ、ここまでの圧倒的な実力差を見せられたのが精神にくる。
「単刀直入に言いましょう。あなたの命と両腕が惜しければここに来た理由、他に誰がいるかを答えなさい。今なら腕を元通りにすることもできますよ?」
中級悪魔に近づき、学園長は脅しをかける。
そりゃ意味も無く、こいつらが3人でいるわけないか。恐らく他に理由があるだろう。
「ちち違う!俺達はあいつらに頼まれてここに来たんだ!」
「あいつらとは一体誰ですか?」
「リトルデビルのやつに頼まれて来ただけなんだ!あいつが悪い!しょぼい力の癖に偉そうにしやがって。」
「質問に答えてください。殺しますよ。」
何と怖い。まあ死の淵で混乱するのも分からなくはないか。
「いや。お前はその質問に答える必要は無い。」
別の入り口から声が響く。低いが不思議と重圧感の薄い男のような声。
声の先には悪魔のような小人?がいた。大きさは1メートルも無いだろう。
「口は災いの元、あまり無駄に話すな。」
「リ、リトルデビル!お前のせいだぞ!お前が安全に上級悪魔になれるって言ったから。」
あの悪魔はさっき言っていたリトルデビルか。名の通り物理的に小さいやつだ。
「あなたがこの悪魔たちの頭ですか?」
「命令したって意味ではそうだな。」
直後リトルデビルの姿が消えた。
消えたのではない。学園長に殴りかかったのだ。
「盾」
学園長は瞬時に反応し、付近に寄せていた水の塊を盾の形にして受け止める。
しかしそれを見極めていたのか、リトルデビルは盾の2メートルほど手前で拳を止めて立ち止まった。
「縄」
盾の形をした水は縄に形を変え、リトルデビルを拘束すべく奴の周りを囲む。
「小癪な!」
しかしリトルべビルは囲まれた水の縄を飛んで避けて下がる。
「斬」
そして生かしておいて中級悪魔に止めを刺した。
「リーシェ!狭いためにここで上級悪魔と戦うのは不利です!二階の広い休憩所に行きますよ!」
そういわれたため、学園長と共に2階の階段へ進む。
「形状変化・弾」
学園長がそういうと水が分裂し、複数の弾丸が生まれる。
そして生まれた弾丸は後ろに飛んでゆき追ってに対して嫌がらせをする。
「これでリトルデビルもこちらを追う速度は落ちるはずです。最悪の場合は通路ごと封鎖しましょう。」
しかしいきなり上級悪魔とのエンカウントか。悪い意味で心臓がバクバクする。
・・・・・・待て何か違和感がある。なんだ?何か見落としている。
リトルデビル!もろ英語じゃないか!しかも名前通り見た目も小さいし。
そう閃いた瞬間瞬間。『カチッ』という音がした。
油断して罠を踏んだ。
地面が崩れる。学園長と分断されたる。
「リーシェ!」
やばい、下手に復帰しようとすると再生する床に挟まれて死ぬ!
「学園長の近くの広場で合流しましょう!」
そういって俺はそのまま落ちていった。
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