第6話 恋、花奏の自宅に行く
「花奏さん♪おはおはです♪」
「いやちょっと.....何でお前が!?恋!?」
翌日になったのだが。
起きて早々にかなりビックリ。
何がビックリって.....目の前に制服姿の恋が立っていた。
俺は酷く驚きながら.....恋を見る。
恋は俺を見ながらニコッとする。
「こういうのって定番中の定番ですよね。でも私達、彼氏彼女なんですから。.....それに寝顔とても可愛かったですよ♪」
「いや。恥ずかしいんだが.....」
「あはは。.....あ、そうそう。早く着替えて下さいね。花奏さんをギリギリまで寝かせたので。今日の朝食は私が作りました」
「お前朝食とか作れるのか!?」
驚きながら恋を見る。
当たり前ですよ〜。愛しい人の為なら何でもします。
と恋は改めてニコッと笑みを浮かべて投げキッス。
そして俺を見る。
それから、早く来て下さいね、とニコニコしながら去って行った。
オイオイ.....。
「あの野郎め.....」
ラブラブっつーかこれってマジにただのバカップルですね。
他人が見たら、マジ卍!!!!!、的な感じになりそうなのだが。
いや俺リア充じゃ無いからよく分からないけど。
思いながらも俺は着替えを始めた。
時間がかなり追い詰められているから。
危ないな.....遅刻する。
☆
「おはよう」
「ああ」
「おはよう♪」
リビングに行くと。
新聞を読んでいる親父とそして嬉しそうな母さんが居た。
それから恋と話す奏多が居る。
俺は早速だがそんな恋に疑問に思った言葉を掛ける。
何で俺の家の住所を知ってんだ、と。
するとこんな答えが.....。
「はい。えっと。調べました」
「え?.....は.....ハァ!?!嘘だろお前!」
「まぁまぁ良いじゃ無いですか!早く食べましょうよ花奏さん♪」
いやいや全く良くない!!!!!
何だそれは情報社会のクソ野郎じゃないか!
思いながらも俺は溜息混じりに腰掛ける。
そうしていると母さんが俺を突いて話し掛けてきた。
ニコニコしながら本当に嬉しそうだ。
「花奏。良い子じゃ無い。.....恋さんって」
「.....だろうな。うん」
「この子がお嫁さんになったら私、満足で空に成仏出来るわね。あはは。今までずっと心配だったからねぇ」
何を言ってんだコラ。
成仏っておま。
母親としてもツッコミ入れるぞ。
そんな母さんの名前。
千草薫(チグサカオル)と言う名だが。
少しだけシワが有りながらも綺麗な肌に整った顔立ち。
そして身長も163センチ有る。
それから.....髪の毛をポニテにしてまあとにかく若々しいのだ。
俺はそんな自慢な母さんを見ながら味噌汁を啜る。
いや、何だこれは。
オイ!?
「めっちゃ美味いんだが.....俺好みの味だ」
「え!そうですか!?じゃあこっちも食べて下さい。花奏さん♪遠慮せずに!」
卵焼きを差し出される。
焼き目が綺麗だな、と言うか。
マジに上手いんだが。
思いながら居ると寡黙極まりない親父が一言発した。
さっき、ああ、と言った人物だが。
そしてこう厳しい言葉を浴びせてくる。
「.....恋愛にうつつを抜かすのは良いが.....勉強を疎かにするなよ」
「.....はい。分かりました」
親父の名は千草花道(チグサカドウ)。
オールバックで固めた髪の毛に.....白髪混じりの髪。
そして眼鏡を掛けておりその顔立ちはそれなりにイケメンだが.....新聞を常に読む為に余り表には感情が出ない様な感じだ。
と言うか頑固でクッソシスコンしか分からない。
だけどそんな親父だがそれでも俺は憧れている。
親父は俺の為に働いているのだから、だ。
憧れていると言えない訳がない。
俺は.....親父の様になりたいと思っている。
「でもでもぉ。こう見えてもお父さん、花奏のお付き合いを喜んでいるわよ♪」
「.....え?!.....そうなの?親父?」
「.....げ.....ホッ.....。お、お前。余計な事を言うな。薫」
明らかに親父が咽せたな今。
すげぇ珍百景だ。
思いながら.....苦笑する。
これが俺達の家族、千草家の日常だ。
家族である。
そう思いつつ箸を再び握る俺。
それから飯を食べ始めてから恋を見た。
恋は笑顔を浮かべている。
「恋.....」
「はい?何でしょうか。花奏さん」
「.....有難うな。飯作ってくれて」
「.....!......大好きな人の為ですから。全然OKですよ。当たり前ですよね。ダーリン」
だ。
オイ!!!!?
恥ずかしいんだが!!!!!
躊躇いが無さ過ぎなんだが。
顔に火が点きそうなんだけど.....。
俺は顔を引き攣らせながら盛大に溜息を吐いて飯を再び食べた。
周りはニヤニヤしている。
みんな楽しそうに。
親父は咳払いしていた。
「楽しい会話も良いがそろそろ登校の時間だ。遅刻するなよ」
「あ.....すまない。親父」
「お義父さん。分かりました」
お義父さんってお前。
もうツッコミ疲れたわ。
それから恋特製の美味しい飯の余韻を感じながら。
奏多と2人と恋と一緒に玄関から外に出ようとしたその時に母さんが小さく声を掛けてきた。
それから.....心配げな顔をする。
その、と言いながら。
「.....それはそうと.....美香ちゃんは元気なのかしら?最近見たけど.....顔色を。でも良く無かったわ」
「.....あ?.....ああ.....うん」
「何だか顔の表情が良く無かったわ。.....でも花奏がそう言うなら分かったわ。大丈夫でしょう」
また複雑そうになる俺。
母さんも美香の事を心配しているんだな。
思いながら居ると代わりに奏多が笑顔で母さんに向いた。
そして大丈夫だよお母さん、と言う。
それから柔和になる。
「私も居るから!一人じゃなかなか駄目なお兄ちゃんに、ね」
「.....そこまで言うなら大丈夫かしら。.....まあでもとにかく行ってらっしゃいね」
「「はーい」」
俺は奏多に、すまん、と小さく言いながら。
そして恋と共に登校を始めた。
少しだけ駆け足だ。
俺はその途中で奏多に向いてから改めてお礼を言った。
マジすまん、と。
「.....本気でサンキューな。奏多」
「うんうん。大丈夫だよ。美香さんの件は協力するから。お兄ちゃんも.....今日は取り敢えずは頑張ってね」
その様に話しながら笑みを浮かべる奏多。
俺は笑みを浮かべて頷きながら.....分かれ道で、じゃあ、と奏多と別れて改めて高校に登校を始めた。
するとその途中で恋が俺の腕に腕を絡ませてくる。
俺は赤面で恋を見る。
「お、おい.....」
「良いじゃないですか。それも恋人同士ですからね♪」
「.....ハァ.....」
すると恋が俺を不安げに見てきた。
そしてその口を開く。
私は.....大丈夫ですか?、と聞いてきた。
どういう意味かと思ったが。
答えが直ぐに出た。
「.....私は捨てられないですよね?」
「.....ああ。そういう事か。大丈夫だ。.....恋。俺とお前はあくまで恋人同士なんだからな。当然の事だ」
「はい。だったら.....大丈夫かな。うん」
「.....ああ」
それから俺達は時間ギリギリなのでダッシュで登校してから。
それぞれの下駄箱に向かう。
そして下駄箱を開けると.....何か。
手紙が落ちた。
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