26bit MANIACを辞めようと思った理由
真衣は扉のすぐ傍まで迫っていた。
すると、部屋の扉が急に開いた。
開いた扉から入ってきたのは、ハジメとシズクだった。
「今日は何をしてい……」
ハジメが言い終える前に、真衣は二人の横を通り抜け、そのまま外へと出ていった。
ハジメとシズクは顔を見合わせる。
今起きている状況をある程度察知したらしい。
「シズク、ここを頼む」
「ええ、わかったわ、ハジメちゃん」
短いやり取りを交わした後、ハジメは閉まりかかった扉を再び動かし、真衣の後を追うようにして部屋を飛び出した。
「……何があったんですか?」
シズクは、部屋に残っている三人に尋ねた。
「私たちもよくわからないんです」
雛乃が困ったように応える。
「えっと、私と雛乃ちゃんで、今日のニュースになっていた政治家の汚職情報流出事件について話していたんです。 そしたら急に真衣さんがここを辞めるって言いだして……」
「そうなんですね…………なるほど、たぶんわかりました。 真衣さんがMANIACを辞めようと思った理由」
「もしかして、私たちが真衣ちゃんに何かいけないことをしていたんでしょうか……」
おそるおそる、英美里がシズクに問いかけた。
「いいえ。 あなたたちは悪くないです。 ただ、その事件の話を深堀りしてしまったことが一応の原因でしょう」
「でも、この事件って真衣さんとは全く関係のない、ハッカーの話……」
糸はその時点まで、真衣と『ハッカー』は繋がるはずがないと思っていた。
「実はね、真衣さんは……」
シズクの話を聞くその時までは。
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