12bit 有線と無線


 「じゃあ私、そのディスプレイ……とマウスとキーボードも必要だよね。 ハジメさんは用意しとけだなんて言ってなかったはずなのに……」


 「あぁ、それなら」


 雛乃は身体をらし、部屋の後ろ側を向いた。


 糸もつられて後ろを見ると、そこには段ボールに入った大量のディスプレイ、キーボード、マウスがあった。


 「あそこから自由に選んでいいらしいよ」


 なんか雑……なような……でもハジメさんならあり得るか……。


 「そ、そうなんだね。 じゃあ選んでくる」


 糸は立ち上がり、段ボールへと向かった。


 お、多すぎる……。


 色んな種類がありすぎてどれを選べばいいんだろう。


 糸はマウスを両手に持ちながら、頭上にはてなマークをたくさん付けた。


 すると、背後から可愛らしい声が聞こえた。


 「マウスは、とりあえず有線か無線かを選ぶポイントにするといいよ」


 糸が後ろを振り返ると、前回会ったときと同じように、パーカのフードを被った英美里がそばに立っていた。

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