7bit 居場所を求めて
「あ、ありがとう、雛乃ちゃん。 次は君、お願いね」
次に指されたのは、糸の右隣にいて、ずっとパーカのフードを被っていた人だった。
「私の名前は、
英美里ちゃん、なんて可愛らしい声をしているんだ。
ただ、フードを被っているせいで顔がよく見えないのが残念……。
これから仲良くやっていけるだろうか。
糸は若干だけ心配になった。
「誰がどんな目的であれ、ここへ来てくれたことには感謝しているよ。 そして、英美里ちゃんがセミナー中にフードを被っていようがまったく問題ない。 だけど、今日はせっかくの
しばらくの沈黙があった。
不登校だと言っていたし、フードをとりたくない訳もそれなりにあるのだろうか……。
糸がそう
「少しだけなら……」
英美里はそう言い、おもむろにフードを脱いだ。
糸は隣に覗く英美里の姿に、思わず目を
なんて真っ白な肌をしているんだろう。
冬の雪よりもさらに白いのではないだろうか。
そして瞳もつぶらで大きく、透き通った色をしていた。
短い髪の合間から、ほっそりとした首筋がみえる。
「もう、いいですか……」
「ああ、十分十分。 それにしても英美里ちゃん、めちゃくちゃ綺麗じゃないか……、 つい
ハジメさんの感想、すごくよくわかる。
糸は同性であることをすっかり忘れ、英美里の魅力に惹かれていた。
「ええ、私もそう思うわ」
ハジメに続いてシズクが言った。
ん? シズクさんの声がさっきより艶っぽい?
糸は違和感を覚え、シズクの顔をチラリとみる。
シズクさんの両目がメラメラと燃えていた。
あ、これ絶対に何か
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