離見の見

 離見りけんけんとは歌舞伎役者の坂東ばんどう彌十郎やじゅうろうが市川猿翁えんおうに教わったとされる世阿弥ぜあみの言葉。

 黒柳徹子の「徹子の部屋」2022年6月22日放送より。


 世阿弥が能楽論書「花鏡かきょう」で述べた言葉なのだそうで、演じる人が自身の身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自分を見つめる意識なんだとか。

 これに反した自己中心的な自分の見方を「我見がけん」と言い、これによって自己満足に陥ることを強く戒めた。

 これは小説でも当てはまるんじゃないかな、と思いました。私なんかは本当に自分のためだけに小説を書いています。客観的に見て面白いかどうかなんてホント二の次にして書いちゃってます。我見がけんの典型ですね。

 私の小説は全くウケていないんですが、それでも自分自身ではとても面白く感じています。読む度に泣けます。わくわくしています。

 これは自分自身という読者のために文章を起こし、自身に対し献呈しているとも言えましょうか。


 もう少し高い次元でお話を書けるようになるのはいつか、まだまだ遠い先の話に思えるのでした。

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