長倉冬青のがん闘病記 2.
いやはや、1.をかいてからすっかり日を開けてしまいました。申し訳ありません。
さて、先生の診断で更なる検査が必要となった私、長倉。今度はMRIの検査を受けます。MRI検査は2度目ですし痛くも痒くもないので楽勝です。楽勝。楽勝過ぎて寝てしまうくらいです。
今回もけたたましい音を立てる機械に囲まれながら寝てしまいました。ぐー。
そして、検査結果。
「うーん、小さいんですが影があるんですよねえ」
と先生は浮かない顔。いや、そんな顔しないでよ不安になるから。
「ま、出ちゃったもんはしょうがないので生検しましょう」
生検? それは組織そのものをほじくり出して調べる検査。イヤな予感が走ります。
検査は何と一泊入院して行われます。イヤな予感がますます大きく膨らみます。検体を採るとしたらやはり触診の時と同じルートで…… (ゾオッ)
入院自体はおよそ四十年ぶりなので物珍しさもあって面白かったです。病院食も不味くはなかったですし。でも食いしん坊な私には量が少なかったなあ。
入院したその日に検査をします。検査着に着替えて検査室に入った時に目に入った機器を見て私は卒倒しそうになりました。
やだこんなの入んないよ! 先生ぼくう〇こ細いんですっ!
それはまるで白く巨大なバナナ。いや、バナナほど湾曲してはいませんが、でかさは半端ないです。これをおちりに挿入されるのかと思うと恐怖で身体が震えました。
そんな心の叫びなど技師さんや先生には聞こえるはずもなく、私は脚をおっぴろげて丸出しに。恥辱、屈辱の極みです。どうしてこんなドM展開に。自問自答しても答えなど出るはずもなく先生たちは淡々と準備を始めます。
さていざ検査。
どうも例の白バナナは先端だけがちょっと人には言えない恥ずかしい場所にあてがわれて、そこから何かが腹の中で伸びていく感触がします。うええええ気もぢ悪いい。
どうやらそのチューブか何からしいものが前立腺に到達したようです。ここで麻酔を打たれてついに検体を採る作業に入るわけですが……
「はいじゃあいきますねえ」
ぷしゅっ
「お゛あ゛っ!」
やばい! やばいですよこれ! ねえ何これ何なの! 思わずエロマンガ同人誌に出てくるような声が出ちゃいましたよ!
何か鋭利なものがお腹の中の前立腺と思しき場所に勢いよくぶっ刺さり、組織を引き千切って回収される、そんな感触がします。
とにかくこの何かが前立腺に刺さった瞬間がきつい。すごい衝撃がお腹にきます。
「お゛お゛っ」
「うぐっ」
「あ゛あ゛ッ」
慣れて恥ずかしい声が出なくなるまで四、五発食らい続けました。最終的にはたぶん十六回こんなことをされてしまったと思います。最後はショックで若干貧血気味に。
その日はぐったりしてもう夕食も喉をよく通り完食しました。ごちそうさまでした。(あれ?)
先生からは血尿が出るかも知れないけどその時は教えてね、と言われましたので、その点だけは注意しておきます。
そして翌日には退院。特に悪いところもなく元気元気。来週には検査結果が判ります。
でももうあの検査だけは金輪際ごめんだ……
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