第5話 ユグドラシルと愉快な仲間たち

ユグドラシルとは…


「かつて精霊王と呼ばれた無属性の精霊よ!」


天野先輩が声を震わす。


「なぁ健ちゃん、ウチのことはゆーちゃんって呼んでや!」


俺にまとわりつく美少女、それを見て天野先輩が怒りを露わにする。


「ちょっと健ちゃん、なに精霊相手に鼻の下伸ばしてるのよ!!アバズレ女に振られて頭おかしくなったのかしら?」


「おい先輩、口悪いぞ?」


「ふん!私の事ゆーちゃんって呼ばないくせにそっちはゆーちゃんって呼ぶんだ?」


ちょっとややこしくなってきた。


「ケンタ様、ここは正式な契約をしてユグドラシル様を仲間に…」


「いいよ!健ちゃんウチのタイプやし仲間になったるでー。」


いや、タイプで良かった。そこまで外見に自信はないけど。そしてポカンと口を開けたシエラが今後の話を始める。


「時期、国家反逆の罪で私やユウキ様も賞金首として狙われる事でしょう。なので一旦船で隣の国ラバリスト共和国に一旦避難いたしましょう。この草原を北に行くと港がが見えるはずです。軍資金は金貨3000枚あるので余裕でしょう。」


「その軍資金って」


天野先輩がそう言うと


「ケンタ様の住む世界風に言いますと国宝庫から一部をネコババ致しました。」


「なるほど!!ってえええええ!!!」


「大丈夫です。初期装備などちゃんと整えております。」


「いや、そっちじゃなくて!」


「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう?ただでさえケンタ様が狙われているのですから。それとこれを…」


シエラほどではないがなかなかいいミスリルソードとミスリルシールド、そして動きやすい様に鎖帷子を装備した。そして身バレしない様に顔には黒頭巾を被り目以外は黒頭巾で覆った。シエラは俺とほぼ同じ装備だが剣だけは俺よりも鋭い切れ味の特製レイピアを装備している。天野先輩は武器はないが魔力が強力な為、身を纏うローブのみである。


「ケンタ様、私達でユウキ様をお守りするのですよ?」


「わかったよ。ところで先輩」


すると不機嫌な顔をして無視をする。


「ゆーちゃん」


「なぁに?」


すると上機嫌で返事をする。どうやらゆーちゃんと呼んだ方がいい様だ。


「ゆーちゃんはウチや!」


さっき引っ込んだばかりの精霊ユグドラシルが出てくる。


「どうしろと?」


俺は悩んだ。すると先輩から提案が出た。


「じゃあ私の事は優希って呼んで!」


「わかりましたよ、優希さん」


「敬語もさん付けもダメ!」


俺の顔に近づいて怒る優希先輩。可愛いけど顔近いし目のやり場に困るからやめてほしい。


「どこ見てたの?もう健ちゃんってエッチなんだからぁ」


「あのなぁ」


「もう健ちゃんを誘惑せんといて!」


ユグドラシルも混ざってくる、意味わからん。


「まだ相手にしてもらってるうちが華ですよ。ケンタ様の世界では女の心、秋の空って言葉がある様ですが」


「シエラ、お前そんな言葉知ってるのか?ってそのセリフ、グサっと来たんだけど」


「いえいえ、例えばの話ですよ。さ、無駄話はこの辺にしてガイアナ港を目指しましょう!」


こうして俺たちの行き場のない旅が始まった。


ステータス

ケンタ

Lv.3

HP 100/100

MP 75/75

力 150

魔 50

速 70

守 105

魅 70

運 15


ユウキ

Lv10

HP 85/85

MP 250/250

力 58

魔 200

速 75

守 100

魅 230

運 150


シエラ

Lv30

HP 300

MP 250

力 320

魔 220

速 350

守 250

魅 350

運 200


ユグドラシル

Lv ???

無属性でかつて精霊王と呼ばれた実力の持ち主、現時点で最強の精霊と謳われている。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る