要素・証明 2

 海の向こうへはいけなかった。流れ出た血液。詩集を集めていた人。

 ベッドの横には小さな棚を机にして、置かれた何冊もの詩を透明な頭の中で理解して。血液が漏れるのと、字が読めなくなるのは同じだから。

 そうして欲しいとお願いされた。

 点滴の海に溺れてしまうか細い骨で、アルファベットが上手に書ける腕。

 飲み水は白く見えた。

 

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