十二月

我が上に 雪は積もりて

春の芽は 夢見て暮らす

鈴の音は 夜空に泣きて

星くずは 冷たく照らす

燭の火は 遥けく燃えて

我がはく息に 白く染まりぬ


想い出は 秘かに瞬き

夜空の壇に一幕を演ず

北風は それをも散らし

色身の もろきを嘲(わら)う


星空の 景色霞みて

月影 我を照らしぬ

されば御神の慈悲こそ請わんと

腕伸ばせども

つかむのは 次には消ゆる雪ばかり


苦しみは刻々に去りゆきて

雪 いやましに降り積もる

いやましに 降り積もる

凍てつきし 我が魂の氷(ひょう)溶かしつつ


かくて いと静かなる十二月

我が上に 死は いや増しに 降り積もる

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