期間限定公開 ネコミミるなしゃまサンタと
シャン……シャン……
遠くから柔らかな鐘の音が響いている。
「ふぉっふぉっふぉっふぉ……」
窓の外には一面の雪景色、街の灯りが淡い光となって町はずれのこのサンタハウスにも届いている。
今宵は年に一度のクリスマスイヴ。そしてこのクリスマスSSも4年目(まさかこんなことになろうとは夢にも思わなんだ……)街中の子供たちのために今からプレゼントを配るところである。
さて……
ワシはドアの向こうに意識を向ける。はて今年は誰が来てくれるのか? 昨年と一昨年はひどい目に合った。いやその前の年もひどい目に合った。しほりんサンタ以外はもう終わってるやつしかいなかった。(詳しくは2020年冬のクリスマスSS ミニスカしほりんサンタ ビキニさらたんサンタ + 2021冬 黒ストミキしゃまサンタ 2022冬 生足あきのんサンタ をご覧ください。期間限定で再公開中でっす! 今だけ今だけですよっ!? どうぞスクロールスクロール……)
さすがに主要メンバーはもう出尽くしただろう、今年は2週目でしほりんのターンだろ! いやそれ一択しかねえ。頼む! 今年こそ今年こそっ、どうか今年こそ、しほりんでお願いしますっっっ!
しんしんしん……
窓の外はますます白くなっていく。心なしか自分の吐く息も白くなった気がする。チクタク……柱時計の音だけがこの静かな空間に響いている。
そろそろアシスタントのしほりんサンタが来る時間だ……ワシはそわそわしながら部屋の中をウロウロうろうろ……
りんごーん
来客を告げる鐘が鳴った。ワシはガタっと椅子を押しのけて立ち上がり急いでドアへと向かう。どーきどきどきどきどきどきどきどき……見える。見えるぞ。扉の向こうでにこやかにワシに微笑みかけてくれるしほりんの笑顔が。
お兄サンタ様……おひさしぶりです♡
おおしほりんサンタ……さぁ子供たちのために今日はがんばろう
はい、お兄様♡
しほりん……
「ちょりーっす。どーもおひさデース」
え?
「時間あってますよネー? さぁチャっちゃと配っちゃいましょうか」
え……?
「兄貴チャソ? どしたー? 固まっちゃってンぞ?」
え…………?
なんでお前なんだあああああ!
俺は頭を抱えてその場に脚から崩れ落ちた(らしい)
「ちょっちょっと兄貴チャソ。何絶叫して倒れこんでんノよ?」
「なんで今年もしほりんじゃないんだよおおおおおおお!?」
「ちょ、耳元でうっさ……ってかウチじゃダメなんか? オイ、ちょっと失礼じゃネ?」
「しほりんしほりんじほりぃん……ワシは今日の日のためにこの一年頑張って……いや、二年、もう三年待った! ひたすら健気に待ち続けたというのに何なんだこの仕打ちはぁあああ。働くサンタさんにもプレゼントを貰う権利があるだろおお。プレゼントをしほりんをくれよおおお神様ああ」
「うっさ、そしてうッざ。せっかく来てやったってのにそんなことしか言えんなんて人として終わってんネ」
しほりんじゃないなんて終わってんねええええええええ↑?
ワシは気づくと床に突っ伏していて、そして目の前には小さな水たまりができていた。
「なんかゴメンね。そこまで悲しまれるとなんかさすがにカワイソウになってきちゃったワ」
見上げるとめっちゃ哀れみの目でこちらを見てくるサンタの姿があった。あれこの人どこかで見たような……すらっとしたスタイルの美人で明るく金色がかった髪はくるくるっとしていて、目はパッチリ。見た目ギャルだけどケバ過ぎずむしろ美しいというか可愛いというか……
「あれ、えーとアナタは……確か、ルナ様でしたっけ?」
「おいおい記憶喪失いや二重人格かよ、めでてえ性格してんナ。まあ……そういうのも可愛ゲがあってウチは嫌いじゃないけどよ……?」
え、なにこの人チョロ……いや違った、見た目ギャルなのに実は、優しい?
「ま、ご期待のしほりんじゃなくて悪かったケドよ、アタシも別に来たくて来たわけじゃないっつーか、まあその辺は許してくれヨ」
「い、いえ……るなしゃまにプレゼント配るのをを手伝っていただけるなんて感謝感激雨霰でっす。どうぞよろしくお願い致しますっ!」
「え、ええエ? ナンか調子狂うんだけど……」
「時にルナしゃま……今宵のために用意させていただいたプレゼントがございますっ」
「え、サンタのウチにプレゼント……?」
「はい、どうぞお開けになってください!」
「えーとナニナニ……? ってこれは……?」
「はい、それは俗に言う’ネコミミ’でございます。どうぞお付けになってください」
「な、なんでウチが!?」
「どうも作者がバリエーションに困ったようで……ミニスカにビキニに黒ストに生足に、っもうサンタコスチュームのネタが尽きて困っていたところ、〇(旧ツ〇ッター)でフォローしているオキニの絵師様がツンデレネコミミサンタなる神絵を上げてらっしゃったのを見て思いついたそうでございます」
「……」
「さ、早くお付けになってください」
「…………こ、これでいいのカ?」
そこには、ネコミミをつけて恥じらいがちに体をくねらせる清楚ギャルサンタの姿があった。
「Foooooo! もう最高でございますっ、さすがルナしゃまスタイル抜群、もうネコミミが生まれつき体の一部として備わっていたかのような錯覚さえ覚えますっ!最高!」
「……え、ええと……まアいっか」
「さ、次は可愛くポーズを決めてっ! セリフはにゃんにゃん♡でお願いしますっ!」
「はァ!? そんなの無理に決まって……なナンだ? か、体が勝手に動き……にゃんにゃん♡」
「Fooooooooooo! いいねぇルナしゃま最の高! さ、次はこの尻尾もつけてつけて?」
「な、なんだヨそのしっぽ? か可愛いけどどうやってつけんだヨ……?」
「ええと……どうも〇の〇に〇〇〇むタイプの様ですね」
「さすがに無理なんだけどォ!!!?」
べしっ
ふぎゃっ
ルナしゃまサンタにネコミミしっぽを顔面に投げつけられた衝撃でそのままワシは永遠の眠りについたのであった。
Fin~Happy Merry Christmas!!!
そう今宵は聖なる夜。きっと世界のあちこちに星のように散らばって愛しい夜が存在しているのだろう……はぁ羨ましい。
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