番外編 とある社畜の禁則事項(ガールズルール)

前回(相当前 すんません)のあらすじ しほりんたち4期生の新ユニット名の名前が難航の末、決まりかけたものの、使えないという事態に、果たして……


「ちょっと、どういうこと、そのユニット名使えないって?」

「なんだまた新手のいちゃもんか?」

「違います。もう既に存在してるんです、そのCandy Lipsって名前のグループ」

「え……?」

「本当なの? 確認したんじゃなかったの?」

「いや、そんなはずは……確認して大丈夫だったはずなんですが……」


「さて、仕切り直しね」

「ここは拙者のBaby Sweet Cherry Loveでいいでしょうよ!」

「いやいやそれ長すぎンゴ」

「パクリ野郎は黙ってるでやんす!」

「なにおう!」

「はいはい静粛静粛に」

「がるるる……」


「私からいいかしら?」

「しゃ、社長自ら!」

「せっかくだからLipsの方はそのまま残して、そうね、Cherry Lips とかでもういいんじゃない?」

「な、なんという名案!」

「い、異議なぁし!」

「ちょっと待ち、あ、ダメだわ もうアルバム名かなんかでヒットするわ」

「ガーン」

「ガガーン」

「太陽の〇者 ガ・ガーン」

「おいそのネタ古すぎて誰もわからンゴ。それに太陽の勇〇はファイバ〇ドやろ?」

「せやった! 伝説の勇者ダ・〇ーン やったわ! 一生の不覚……」


「はいはいはーい、いいの思いつきました!」

「N氏、どうぞ!」

「Chiffon Lips そうっ、シフォンリップス! これですよっ」

「シフォン……ケーキ?」

「ちっちっち……シフォンとはフランス語で薄い絹織物の意味、ちなシフォンケーキはそれ由来で薄い布のような滑らかな食感のケーキではありますが」

「で、その心は?」

「薄くやわらかな彼女たちの魅力が幾層にも重なって織りなす3人の奇跡のハーモニーが、その柔らかな唇から奏でられる、この絶妙な味わいを貴方に……」

「なんかキモイな」

「なにおう」

「あらもしかして、シフォンリップス、シフォンリップス……しふぉりん……しほりん!」

「な、なんだと、そのアナグラムは! まさかそこまで計算に入れて……」

「ふっ。まあ当然(偶然)さ……」

「確かに、即興にしてはよく考えられてるわ、いいアイデアね」

「ちっ……」

「ダメだ! この案はだめだっ」

「あら?」

「どうした急に? 自分大好き人間のN氏が自分の案を没にするなんて」

「これではしほりん一人にFocusが当たってしまう! 確かにしほりんはこのユニットのセンターでリーダーで一番人気ではあるので、何の遜色もないのだ、ないのだが、やはり一人だけを特別視するような名前は不適である! よって解なしっ(甲斐なし)」

「まあ、確かにそうねえ」

「それにシフォンって確か小〇唯の愛犬の名前じゃなかった?」

「ぎくっ」

「じゃあ次に出てくるN氏案は……ずばりLupin Lips ルパンリップスかね?ww」

「おいおいおいおいS氏よ、なんで唯©のもう一匹の飼い犬の名前知ってんねん!? 一周回ってお主も好きなんやろ唯©」

「いやいやいや……こっ、こんなの一般常識やで」

「がるるる……」


「うーん、どうしようかしら……」

「ここは、初っ端から何一つ発言してない……ことりん氏! 何か意見を!」

「………… choco lips」

「チョコリップス……かぁ」

「ことりん氏、前も思ったけどチョコ好きなん?」

「うーん、でもこれも似たようなグループ名がヒットするわね……」

「結構いいかなと思ったけどな」


「はいはいはーい」

「はい、N氏」

「ここは私がその名前に魔法をかけてあげましょう、ちちんぷいぷーい」

「は? 頭いかれた?」

「ずばり! chocolat lips ショコラリップス これしかないでしょう!」

「な、なるほど……チョコをフランス語読みにしたのね」

「むむむむむっ」


「それでは4期生ユニットの名前は……chocolat lipsにけってーい!」

「異議ナーシっ」


「ちょっと待ってください、検索したら化粧品がヒットします!」

「「もうええわ!」」


 おあとがよろしいようで……






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