第5.5章-1 謎の手紙X

「ねえ、なんか届いてんだけど」

  

 夕食後の後片付けも終わり、ちょっと一息ついていたところだった。紙切れをぴらぴらさせながら玄関からリビングに入ってきた亜希乃。


「ふーん」


 俺は何の気なしに手を伸ばしたが、亜希乃はそれには応じず、クロスした腕の前でその封筒?を指で挟んで首を傾げてよくわからないポーズをとる。なにその変な格好つけたポーズ。どうせ何かに影響受けたんだろうが、(うん、ちょっとハ〇ヒっぽい感じ?)似合ってないぞ妹よ。


「これ何?」

「そんなの亜希乃に関係ないだろ? さっさとくれよ」


 別にヤバイ郵便物じゃないだろうな。見られてまずいブツとか……いや、そんなん注文とかしてないはずだし。


「いや、アタシの名前の横に兄貴のもくっついてんだけど」

「は?」


 よく見るとその封筒には宛名の真ん中に俺と亜希乃の名前が並んで書かれてあった。


「なんだこれ?」

「だからさっきから聞いてんじゃん?」


 正直心当たりがない。そもそも郵便自体が届くのが珍しいのに。ネット通販を特典目当てでちょくちょく利用してるから宅配便は来るけど、間違っても亜希乃と一緒に買う様なものはないし、こんな薄っぺらい封筒じゃ中に何も大層なものは入ってなさそうである。通常封筒の裏に送り主の名前や住所が書かれているものだが、何も書かれてはいなかった。


「どっちが開ける?」

「俺開けるわ」

「そう?」


 そう言うなり亜希乃はびりびりと封筒の上を破り始めた。


「おいっ! 何勝手に開けて……」

「だって自分で開けるとか言い出すなんて見られたらヤバイやつかもやん?」

「だったら猶更開けちゃダメだろ―!」

「ま、アタシ宛かもしれんし」

「いやいや、俺の方の名前が先にあるやん!」

「アタシのが先やろ?」

「こういうのは右から順に並べていくんだよ! だから俺のが先なの!」

「ふーん、そうなん?」

「いや、手止めろし」

「どれどれー……って、え?」


 封筒は完全に開き、中から取り出した紙を見る亜希乃、その手が止まって


「え、これって……」


 亜希乃が固まって(freeze)動かなくなった。


「おい、亜希乃?」


 口をパクパクさせ始めた亜希乃


「おい、いったい誰かr」

「キター――――――――――――――――ッ>。</」

「耳元で絶叫すんな!」

「キタ来た北よ兄貴ぃっ、ライブだよっ! しほりんのライブの招待状だよっ!」

「は?」


 その時、紙の間からするっと何かが落ちた。床に散らばる細長い2枚の紙。これはまさか……


 ライブチケット!?


 そのチケットを拾い上げてこっちに向かって変なポーズをとる亜希乃。いや「むふーっ」ていう擬音を発するな。

「勝ったな。ガハハ」

「お、おう。勝ったな、ガハハ」

 何で妹がそのネタを知ってる?のかちょっと気にはなったが、そんな些末なことは関係ナッシング―ーーーやったぜ!

「ガハハハハハ」

「ガハハハハハハハハ」

「ガハハハハハハハハハハ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」




 この時は、まさかあんなことになるなんて夢にも思わなかったのだった。(すいません。言ってみたかっただけです てへ)















  私事で恐縮ですが、今朝夢を見ました。昨晩バン〇リのパス〇レの天下〇ーイツAtoZを聞いたせいでしょうか、夢でライブ会場にいたんですよー。そしたらあのイントロが流れて思わず叫んじゃったんですよね(注 夢の中での話です)合いの手で「はっはっはっはっ」とね。その瞬間ですね、顔面に衝撃が走ったんですよ(注 夢の中での話です)待機してた黒子スタッフが殴って来たらしいんですね。その時咄嗟に思考を張り巡らせました。そうだ。今ライブで叫んじゃダメじゃん!と。僕は朦朧とする意識の中(注 夢の中での話です)スタッフに見苦しくも言い訳しました。「ぼ僕じゃないです」と。まったく夢の中ですら見苦しい人間性ですね。幸い? 僕の周りにもっと叫んでた人間がいっぱいいてそっちが連行されていきました。そのまま曲は続きます。そしてどこだったかまた合いの手の部分があったんですよ(いや、あの曲合いの手だらけだし ライブで盛り上がること必須 具体的には先月発売されたパスパ〇の1stAlbum「TITLE ID〇L」のBD付初回限定版を買うと、シークレットゲストで若〇イブこと秦佐〇子が登場して大盛り上がったライブ映像が見れますよ。ちょっと、いや結構値段お高いんだけど)確か、び・し・ば・し か たーのもーっ か せっせーのせっせーのよーいよい か パスパレ入魂どーーん かどっかだったと思うんですが(いや、候補多いなw)そう、おわかりでしょう。思わず叫んじゃったみたいなんですね。その瞬間また顔面に衝撃が走りました。そのまま僕は意識を失いました(注 夢の中での話です)次に目を覚ました時に(注 くどいようですが夢の中での話です)僕は客席に座っていました。周りには誰もいません。一瞬ライブは? と思いましたが、僕は思ったんです。どうせ夢に違いないと(注 夢の中で夢だと思ったんですね)もし夢じゃなかったら俺はライブ中に意識を失ってしまって残りのライブ中寝てたことになってしまうではありませんか! これも一種の防衛機能というやつでしょう。案の定何も荷物は持ってませんでした、もしライブだったらちゃんとペンライトなどのグッズを買っていたでしょう、てことはこれはあくまで夢なんだろうと(注 夢の中で夢だと以下略)判断したのです。その後会場から降りる階段で僕は驚愕の事実に気づいてしまったんです。僕は何の気なしに自分のマスクを触りました(夢の中でもちゃんとマスクしてるなんて毒されてますねw)なんと鼻のところに入ってるワイヤーが、なんと、切れているんです。外してみると、血とともにマスクの上半分が真っ二つに割れていたのです。僕は戦慄しました。あれは決して夢なんかではなく、現実だったのだと。(あくまで夢の中での現実です)合いの手で叫んでしまったためにスタッフから顔面攻撃を受け意識を失い残りのライブを見れなかった、そしておそらく証拠隠滅のためにせっかく買い占めたであろうライブグッズも没収されてしまっていたのであろうと! そんな残酷な真実に気づいた俺はその場に崩れ去りました。NOOOOOOO!



 はい、夢の話でしたw



 夢の中でまで絶望しなくてもいいはずなんですがw この場合夢だったと喜ぶべきなのか、いずれにせよ茶番部分長くてすみませんw 最後まで読んで頂いた方、本当にすみませんw

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