番外編 とある事務所の緊急会議(カンファレンス)

ここは国内某所とあるアイドル芸能事務所の一室である。


「それでは、緊急会議を始めたいと思う」

「「はい」」


「今日諸君に集まってもらったのは他でもない。前前より懸案の一つであった、4代目の新ユニットの件である」

「おおお」

「ついにキマシタカー!」


「そうだ。次のライブでお披露目の予定である3人組の新ユニットだ」

「おおお」

「wkwkdkdk」


「だがしかし、諸君たちも知っての通り、如何せんまだその名前が決まっていないのである」

「おおお」

「それはゆゆ式事態でありますなー」


「そこでだ。今日この会議で新ユニット名を決めてしまう。そしてすぐにメンバーに了承、最終決定してもらう予定である」


「おおお」

「イヤーーーッハ―――!」

「静粛にー」

「ははーっ」

「(´・ω・`)」


「さて早速新ユニットの名前案のプレゼンをしてもらおうと思う。改めて説明する必要はないと思うが、この新ユニットは4期生初の単独ユニット。言わずと知れた次世代エースの呼び声高い正統派お嬢様アイドル”しほりん”ことshiho! 4期生一の妹系スポーティ元気っ娘ことnagi! そしてフィギュアスケーターとしても期待の星、ダンスも優雅なmitz! この3人の良さを前面に押し出せる素晴らしいユニット名を待ち望んでいる」

「おおお」

「いやーッは―っ」


「ではまずN氏、君から頼む」

「ははーっ」

「いよっ!」


「ただいまご紹介にあずかりましたN氏でございます。単刀直入に申し上げます。ズバリ新ユニット名はっ でゅるるるるるるるるる(ドラムロールの音 ボイパで)」

「N氏、早めに頼む」

「(´・ω・`)」


「じゃんっ ズバリ”candy lips”であります!」


「ほほう」

「さてさてその心は?」


「全員が笑顔はじける元気で明るくきゃわわなJC達でありつつも、時に垣間見える大人びた魅力の片りんをのぞかせる、そんな彼女たちの魅力をキャンディと唇という二つのパワーワードで表現してみました、これこそ4代目の新ユニットの名前にふさわしい! そう思いますっ」

「ほう」


「異義あり!」


「な、なんだS氏、なんの不満があるというのだっ!?」

「異議も何も、それお前の好きな春奈〇なのアルバムの名前じゃんよ?」

「うぐっ」

「そうなのか?」

「げっ、な何故バレたし!!!」

「いやいやふつうにわかるでしょ。てことでN氏案は却下な」

「しゃ社長! 別に大丈夫っすよね?」

「うーん。アルバム名ならまあ大丈夫とは思うが……”勝手にし〇がれ”とかいう誰もが知る曲名をバンド名にした奴らもいるんだしなあ、あれ許可とってんのかなあ? あと最近多いどっちがユニット名か曲名か一見わからんやつ……」

「社長、次は私の案を!」

「そうだな、ではS氏の案を頼む」

「ここは、彼女たち、もう可愛くて仕方がないベイビー達、甘くて可愛いスっウィーティぃーな彼女たちを、僕らの愛で包んで―あげ―たい―♪ 的な思いをユニット名にしました、その名も!”Baby Sweet Cherry Love”でありますっ!」

「異義あり異議ありいい」

「なんだ難癖つけんなよ」

「それお主の好きな小〇唯やろ!? 唯©のシングル名とかアルバム名とかなんか色々混ざってるやん! 却下や却下!」

「ちっ、何故バレた!!!?」

「もうちょいバレんようにできたやろ……」


「さて最後にことり君。君の案を聞きたいのだが」

「……」

「なーなーことりん、最初のはい以外何もしゃべってないから読者から存在を認識されてないぞー」

「……chocochoco」

「えーっと……ちょこちょこ?」

「ちょこまか的な?」

「理由は……?」

「……」

「はい社長! 次ですよ次!」





「さて、多数決の結果……新ユニット名は、”candy lips”に決定したッ!」

「おおおおおおおおおおおおおおおいぇっすっ!」

「ちっ」

「……」






 後日の某アイドル事務所にて


「社長大変でっっす! あの新ユニット名使えませんっ!」

「なぬっ?」

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