第5章-13 この見苦しい女装にパ〇チラを


「なーんちゃってー」


 クソガキの一人がくるっとこちらに振り向いた、と思うと


 一瞬何が起こったのかわからなかった。


 ぴらっと音がした、へ? あれ? なんか足がすーすーして気持ちいいなあ? と思ったら俺のスカートがめくりあげられている。


「ぎゃあっ!」

「ちょっ、なに見せてんの変態っ」

「きゃっ」

「へっへー、ざまあみろー」


 目にも止まらぬ速さであった。具体的には、宴会芸しかできない駄女神様と一日一発で打ち止めの爆裂魔法しか能のない厨二病ロリっ娘と実はお嬢様のドM変態壁がヒロインたちの、アニメopが宮崎ピーマンで、個人的には6巻から出てくる金髪碧眼の姫が好きなんで3期やってほしいんだけどなーと切実に願ってる某ラノベの、主人公カ〇マが唯一使える魔法「スティ〇ル」並みの素早さ。(stealは盗むの意。鋼鉄のsteelと綴りが似ているので注意)


 みんなの視線に気づいて慌ててスカートを上から抑えつける。わあ。女子ってタイヘンダナー。


「うわーなんか短パンみたいなのはいてるー」

「ずっこいのー」


 いや、ずっこくねえよ? よかった、下になんか履いてて。トランクスとか見られてたら、多分もっといろいろヤバい状況が発生していた気がする、この少年たちの将来の性癖とか言う観点に置いて。スっっティーーールとかされてたら本気でひとたまりもなかった。うん、このクソガキでも、あのクズ〇様よりは慈悲深かったようである。(錯覚)


「でもあれ……なんか思ってたより」

「う、うん」

「お前ブスなうえに足まで太かったんだなー」


 な、なんだと……この野郎。わなわなわなわな体は震えるのだが、如何せん言葉が出てこない。

 その時だった。


「あんた達、いい加減にしなさいっ!」


 俺のスカートめくった主犯格のガキの頭をすぱこーんと小気味いい音を立ててふっ飛ばした。桜玖良だった。


「痛ってえ、何すんだよぉ!?」

「それはこっちの台詞よ。女の子相手にこんなことしていいと思ってんの?」

「ちっ、だから一番ブスな奴にしてやったじゃねえかよっ」

「そんなの全然関係ないわよ。女の子は女の子!」

「くっ……」

「もう行こうよ。さすがにやばいって」


 ほかの連中は桜玖良のあまりの豹変ぶりに怖気づいたらしく、主犯格のガキの袖をつかんで引っ張っている。あと補足すると俺は女の子じゃないんだって叫びたい。


「……くない」


 小さく震えながらもそのガキが何か言っている。


「何よ?」

「悪くないっ、僕悪くないもんっ!」


 そう叫ぶなりなんと大声でわんわん泣き始めてしまった。お、おい、まじでガキだったんじゃないかw


「ちょっ、なに泣いてんのよ」

「わるくないもおんっ~~」

「ヤ、ヤス君! 大丈夫?」

「ど、どうしよう……」

 

 取り巻き連中もさすがにどうしたらいいかわからないようだ。


「ど、どうしたら……」

「とりあえず外に出よう? でないと怒られそうだし、うるさいって」

「そうだな。司書さんが来たら面倒だしな」


「ほらっ歩いてっ。とりあえず外出るよ」

「ひっぐ、ないもんっ」

「はいはいわかったから」

 桜玖良がさっきまでの勢いどこへやらのべそかきガキ大将の手を引いて入口のほうへ向かう。二人の取り巻きもおろおろしながら後をついていく。と、桜玖良が振り向いて


「ちょっと、しほちゃんたちは来なくていいって」


 真顔でそんなことを言う。


「え、だって……」

「私たちだって心配だし……」

 

 すると桜玖良はすうっと息を一つついて呆れたような声で


「あのねぇ、ただでさえ邪魔が入って時間がもったいないっていうのに……あとは私が何とかするからさっさとテスト勉強してきなさいっ!」

「そんな……今勉強なんて」

「まあ確かにお前の言うとおりだな。お言葉に甘えさせてもらうぞ」

「うん任せて」

「で、でも……」


 しほりんは桜玖良に甘えて自分だけ勉強してていいのかってよりも、純粋に子供たちが心配なようだった。


「大丈夫。しほちゃんよりは子供の扱いは慣れてるはずだから」

「さくらちゃん……」

「じゃあまたあとで。ちゃんと勉強みてあげてよ」

「あ、ああ」


 曖昧な返事で子供たちを連れる彼女の背中を見送る。自動ドアが閉まった。


「さ、行こう?」

「う、うん……」


 心配そうに扉の向こうを見つめるしほりん。


「大丈夫だよ、きっと。その分僕たちがしっかり勉強しないと”さっちゃん”の頑張りが水の泡だし」

「そ、そうだよね。うん、頑張る」

「よし、その意気だ」



 僕たちはいつもの机に座って、さっきの思わぬロスを取り戻す勢いで一生懸命勉強した。そして何とか明日のテスト範囲のすべての復習を終わらせることができたのだった。



「ふう、やっと終わった……」

「ありがとうございました。本当にちゃんと終わるなんて、思ってもみませんでした」

「いやいや、し、ほちゃんが頑張ったからだよ」


 時計を見るとまだ六時すぎだった。思っていたより早く終わってよかった。しほりんがそわそわした様子でこっちを見た。


「ちょっと、行ってみません? さくらちゃんのとこ」

「あ、ああ。そうだね」

 やっぱりしほりんだな……ずっと気になっていたんだろう。正直俺もずっともやもやしていた。僕たちは休憩もかねて外に出ることにした。


「え……?」


 







 いい題名が思い浮かばんかったんでタイトル後で変更するかもしれません。


 ↑ って最初書いてたんですが、アップ直前に、パンツ系のラノベとかなんかないかなーと漁ってたら、はい、ありましたねw というわけで、急遽タイトル変更+若干軌道修正。ちなみに原題は「続・パンツ事件その2(仮)」でしたw ただ先週から無駄に引っ張っておいてタイトル出落ちというオチはどうなんだw


 あと花見SSのことすっかり忘れてるw

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