期間限定公開 最後の花見がミキしゃまの場合(推しとお花見 中編)
「わぁ、桜が満開ですー」
ミキしゃまがパチンと指を鳴らすと、そこは……学校の、校舎裏っぽい所であった。え、ナニコレどうなってんの?
「とぉってもキレイですねっ。先輩?」
え、先輩? あなたの方が年上なのでは? って勝手に思ってましたけど違ったのか? そしてよく見るとここはうちの高校の裏庭というか、見覚えある校舎なんだけど、現実ではないのだろう、だってこんな大きな桜の木なんてなかったはずだ。その桜の巨木の下にただ二人だけ。上からは桜の花びらがひらひらと舞い降りる、春のやわらかな光が花びらの隙間から僕たちの上に降り注いでいる。なんか校舎裏の桜の木の下で告白したら絶対にカップルになれるみたいな伝説がありそうな感じの。
「ちょっとぉ? 先輩きいてますぅ?」
「あ、ああ……」
「ダメですよ先輩っ。そこはー桜よりも君の方がきれいだよ? って言うところですってばー」
「お、おう……」
それいつの時代のトレンディドラマだよ? しかし、この夢?の中のそのミキしゃま?は制服もうちの高校の女子のを着ていた、恐るべき再現度だ。そしてこれは誰もがうらやむ?放課後校舎裏後輩からの呼び出し告白誓いのキス(そこまでは行かんかw)という王道シチュエーションである。こ奴できるぞ……カワイイ顔してガチで勝ちに来てる感がしてて怖い。
「まぁ、そんな不器用なとこも先輩らしくて……そのぉ……す、好きですから……」
きゅうぅん
怖い怖い怖い怖い何この娘強い強い強い強いあっさりと気を許してしまいそうな自分が怖い怖い怖いいいいい早く領域展開して闇を祓ってー闇を祓ってーしないと吞み込まれるぅううう!
「ねぇ先輩?」
駄目駄目駄目駄目その上目遣い反則ぅううううう
「私、ずっと前から……」
やばいやばいしほりん推しとしてはしほりんの時よりも高い心拍数を出されてしまっては面目が立たないいいいい早く落ち着いて素数を数えろこいつのこのあざとさは計算計算計算に違いないしほりんの純粋な可愛さとは全然じぇんじぇん違う違う違うからぁああ
「そのぉせ、先輩のこと……」
いやふ普通に可愛くね? これ、計算なの? 仮に計算でもこんなカワイイ笑顔だヨ?あざとかろうがなんだろうがもう可愛いんだからいいじゃないか? このカワイさに罪はない!可愛いは正義!
「ずっとずっと先輩を……」
うん、もういいや。ごめんしほりん。俺は無力だったよ、でもこれも本能の為せる業許してくれ……
「奴隷にしたいと思ってたんですっ!」
ん? んん? んんんんん?
「はああああぁぁぁっつ!?」
それじゃあリアルで変好きの唯〇ちゃんじゃないか! こんなはずじゃなかった!今ならあのケ〇キ先輩の気持ちがよくわかるわ!
「さあ先輩この私の前に膝まづきなさいっ!」
ばちんと大きな音がした。何とミキしゃまの手には真っ黒な鞭が……
「ひえええっちょっとちょっと俺にそんな趣味はな……」
「何言ってるんですかぁ? ワタシの精密なリサーチの結果亜希乃cの兄貴さんには潜在的に若干Mの気質があって、これが一番本能が求める理想の告白シーンこれが一番心拍数爆上がりのドキドキシチュエーションだという調査結果が……」
「そんな信憑性のない結果は捨ててしまえーーーー!」
「ソンナコトナイヨ? クリスマスSSでさくらたんにトナカイ着ぐるみ着せられて鞭でバチンバチンされて喜んでたじゃんー???」
「よろこんでねえええええっ!」
「さあ本能の赴くままにっ」
「ヘルプヘルプ亜希乃かっとかっとかっとー!」
「心拍数150超えてる……普通に兄貴キモイんですけど」
「ぜーぜー、それはあんなに走り回らされたからだろ……げふん」
「それも含めて私の作戦勝ちですねっミキちゃん大勝利ぃいい!」
「ミキ先輩、ずるいです……」
「へっへーん、だってまともに行ったらしほりには勝てないかもだったんだもーん」
「でもミキ? 私もさすがにずるいと思うわ」
「何よぉ、ちっひーまでそんなこと言うのぉ? ぷりぷり」
「でもどうしよう……どっちの勝ちにすればいいんだろ」
「私が行くわ」
「えええ?(一同)」
後編に続く(キートン〇田風に)(長い間お疲れさまでした)
すんません終わりませんでしたww。もうちょい続きます 先に本編を一個はさむ予定です。
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