水着編-1 可愛ければ変〇でも好きになってくれますか (PV撮影旅行in沖縄 2000Pv御礼記念)

「わあ、あんなに下に島が見える~」


 そう言って俺の服の袖を引っ張ってくるしほりん(可愛い)


「そ、そうだねー」

 

「ちょっとお兄様? そこからじゃ外の景色よく見えないでしょ。もっとこっちに寄ってください」


「いやいや、これ以上寄ったら……」

しほりんに完全に覆いかぶさって密着状態になっちゃうんですけどっ!


「あ~ホントだーめっちゃきれいな海ー」


 背後から素っ頓狂な声がしたと思うと、上から何かがのしかかってきた。うん、通路側の席に座っていたヤツ……通称さくらたん(ファンの中では最近”さらたん”と呼ばれている she is called Saratan by her fans these days.)が窓の外を見ようと俺の背中にのしかかってきた。うん、確かに首から背中にかけてのあたりに柔らかい感触が……コイツ着やせするタイプなのか!?っておいおい、何やってんだよ。飛行機の中だぞ、スタッフさんとかも周りいっぱい乗ってるんだぞ、自重してくれっ!


「ちょっとさくらちゃん? お兄様にくっつきすぎ」


「先にくっついてきたのしほちゃんじゃない!」


 俺をはさんで両側の現役JCアイドルたちが喧嘩を始めてしまった。しかも二人ともめちゃ近い。しほりんは窓側の方に俺を引っ張り込もうと腕に抱き着いてくるし、さらたんの方は後ろから抱きついて、いや、抱きしめるように、いや羽交い絞めのような感じで俺の頭部をぎゅっとしてきて、うん、痛い。めっちゃ裏山な美味しいシチュエーションのはずなのに……どうしてこうなった?



「なあとりあえず二人とも落ち着いてくれ」


「落ち着いてられませんっ、私の方が先にお兄様の隣になる約束をしてたのにっ」


「そんな抜け駆けみたいなせこいことしようったってそうは行かないわよっ。ねえ、私と隣の方がいいよねっ? お・兄・さ・ん?」


 離陸前からこの調子で埒が明かなかったため、最終的にはマネージャーさんと席を交換して通路を挟んで3列ずつのシートの片側、真ん中に俺、両隣を二人が取り合うような配置となったのである。両手に花って感じでちょっとテンション上がってたのは内緒である。しかしそれも正直台無しって感じの騒ぎである。野球で言うと10-0のルーズヴェルトゲームってとこかな。(あれ、ボロ勝ち5回コールドゲームで勝ってるよオイ ちなみにルーズヴェルトゲームは8-7の接戦)



 しばらく一悶着したところで、


「ごめんちょっと」


 通路側のさらたんが席を立った。おそらくト〇レだろうか、いやアイドルは決してトイ〇に行かないとか聞いたことがあるから、違うのかもしれない。


「ねえお兄様?」


 案の定、邪魔者は消え去ったとばかりに話かけてくるしほりん、うん、何があっても俺は驚かんぞ、平常心平常心、にやにやすんな俺!


「な、なに?」


「これ見てください?」


 そう言ってしほりんは膝の上に抱えていた自分のカバンの口を開けて、こっちに見せてくる。


「えーと?」


「なんだと思います?」


 それは白?いや水色の布? 表面がつやつやと光っていてお上品な感じの……


「ハンカチ……とか?」


「さすがお兄様、正解です! これちょっといい生地のなんですよねー。お気に入りなんです」


「へーそうなんだ」


「肌触りもとっても気持ちよくってー、お兄様もちょっと触ってみてください」


 しほりんにさっと手を掴まれ引っ張られる。まあ拒む理由もないし、(横に邪魔者もいないし、まさに「鬼の居ぬ間に洗濯」(英語では When the cat's away, the mice will play 直訳すると猫がいないときにネズミは遊ぶ ちなみにmice はmouse ネズミの複数形である。mousesにはならないので注意)とはよく言ったものだ)俺は軽い気持ちでそのハンカチを触ってみる。


「ね、とてもすべすべしていい肌触りでしょ?」


 たしかにそのハンカチはつるつるしてて触り心地がよかった、しかし次の瞬間、俺は驚愕することになる。何の気なしに持ち上げたハンカチから紐みたいなものが見えて……え、ナニコレ? それは三角形をした布で……はっ!? 俺は一つの可能性に行き当たった。ま、まさか、そその物体はも、もしや……


「ま、まさかこれ……」


「あら、ハンカチじゃなくて水着だったみたいですね?」


 ひえええええええええええええっ(比叡大破)


「ちょっ! なんてもん握らせてんだっ!?」


「え、お嫌でしたかお兄様?」


「い嫌なんてことはない、決してない、むしろ嬉しいというか……いや、そうじゃないだろっなんで水着#$♭”&;*??」


「それは……だって明日の撮影で使うんですから持ってきて当然ですよね?」


「そうjぁばないっ! そんなもの男に握らせちゃだめじゃないかってことだよっ!」


「ひどいお兄様。こんなことお兄様にしかしませんよっ♡」


 にっこりスマイルのしほりん(激カワ)そしててへぺろっ♪ まさかしほりん確信犯だった……? 心臓バクバクいってる俺にさらなる追い打ちをかけてくるしほりん。


「ねえ、お兄様、こっちも……見てくれません?」


 そう言うなりしほりんはブラウスの一番上のボタンに手をかける。はっ! えっ? ちょなにやってんのっ! そして軽く開いた胸元を見せつけるようにこちらへ身を寄せてくるしほりん。そして豊かなその谷間からちらりと覗く薄緑の……


「し下着じゃないですよっ! これは、今日着いたら自由時間にみんなで海で遊ぶっていうから……下に着てきただけで」


 やばいやばいやばいやばいyばお


「どう……ですか?」


 俺はそのパステルグリーンに釘づけにされてしまった。可愛ければ変〇でも好きになってくれますかの露出性癖義妹ヒロインのと同じ色だなあなんてしょうもないことを考えながら、そこから立ち上るしほりんの女の子の香りと、このわけのわからない状況に完全にのぼせあがってしまって……


「カワいい……です、か?」


 天使のようなエンジェルボイスで(なぜ2度言った?)耳元で囁かれた瞬間、俺の脳細胞はプッチンした。はい、可愛いのはしほりんです。


 遠くでしほりんの声が聞こえる。ああ、俺死ぬのか。最後に人生で一番幸せな瞬間だったかな。我が人生に悔いなし……走馬灯の中でうかんだのは、もしかしたらヤツも下に着てきてたのかな……どんな水着だろう……。そんなことを考えていた。












「っていう夢を見たんだ(若干エロい部分はオブラートに包んだ)」

「うん兄貴、一回死んどく?」











申し訳ないです、またしても夢オチですいません。本編で二人がデレルのはきっともっと遥か先になりそうなもので……

そして祝・2000PV到達! ありがとうございますっ。これも読んでくださる皆様のおかげでございますっ。ペース的にどうなのかは知りませんが……次は5000位で続きを書けたらなんて考えてます(一体いつになるのやら……ww)

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