水着

 夕夜達はプールに移動すると七海と茜、京谷が来ていた。

 七海がこっちに歩いてきた。

「夕夜さんも訓練ですか」

「七海さんもですか?」

「はい」

 京谷が肩を組んできた。

「俺達のクラスに七海が来てよ。そこの生徒会長に七海を訓練に連れてくからって移動されたわけだって」

「なるほど」

 けどプールの訓練は何になるのかまだ聞いてなかった。

「すいませんここってどんな訓練になるんですか?」

「ここはエアー・スカイが何かしらの原因で海に落ちた場合にそなえて行います。過去にですが……。羽根が壊れて落ちてしまい助けられずにあったというケースがありますた。ですから、まずは泳ぐことがなによりも大事だと私はそう思い一番にこの場所を優先しております……」

 なにか引っかかる言い方だけど過去になにかあったからこの場所を選んだようだった。

「わかりました」

 ソラがツンツンと突っついた。

「それにねここでも飛べるんだよ」

 プールでソラが飛べる?

 すると京谷が目を輝かせていた。

「お、フライボードだろ! あれ楽しいよな」

「ねー」

 フライボード? なんなんだろう。

 真冬がパンパンと手を叩いた。

「それでは水着に着替えて集合してください」

 水着? いや、そう言われても持ってない。

「あのう……水着は持ってないです」

 七海も手を上げていた。

「私もです……」

「あぁ。すいませんてっきり用意してあるのかと……。すいませんでした」

 真冬は頭を下げた。

「では、サイズはわかりますか? 今すぐ用意いたしますので」

「え? サイズですか……」

「はい」

 七海は顔を赤らめていた。

「その……胸のところが少しキツクて最近わからないから……」

 すると茜が食いついた。

「胸が……。ソラ! 七海のサイズ計るわよ」

 ソラはホケッとしていた。

「なんであーちゃん」

「良いから行くよ」

「うん? よくわからないけど」

 二人して七海の腕をグッと固定していた。

「え? なんで二人して捕まえるんですか?」

「良いから良いから。一人じゃ計れないでしょ?」

 茜が怖い顔で笑っていた。

「いやー怖いよ! 夕夜さん助けて!」

 そのまま七海は別の場所に連れてかれた。

「いーやー!」

「……じゃあ俺達は水着を用意するか」

 何事もなかったように京谷がこっちを見ていた。

「そう、ですね」

 購買に言って水着を貰ってプールに向かい準備体操を始めている。

 すると七海が涙目になりながらスクール水着に着替えていた。

「うぅ……茜さん。酷いですよ」

「いや~ごめんごめん。今度ヒーローのコスプレを作ろうと思ってたのが七海サイズだったからつい。はははは」

 笑って誤魔化していた。

「まさか驚いたな……」

「何がですか?」

「七海の胸のサイズがぃ――」

 するといきなり七海が声をあげた。

「うわぁぁぁぁぁ! 茜さん何言ってるですか!」

 すると京谷が食いついた。

「茜! それはEなのか? Eサイズなのか!」

「ふっふふそれはね。本気ですご――」

 七海が赤くなってまた叫んでいた。

「だから言わないで下さい! ほら準備体操しますよ」

 その場の全員で準備体操をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る