生徒会長

 学園に近づくとソラと同じように飛んだり歩いている生徒がいた。

「到着~」

 ヒヨコ荘がそれぞれ着地し茜がこっちに来た。

「ふぅ……。それじゃあまず職員室に向かって私たち先に行ってるから」

「わかりました」

「じゃ、私たち先に行くから」

 ヒヨコ荘のみんなは学校に入っていった。

「じゃあ行きましょうか」

「そうだね」

 夕夜と七海は職員室に向かい説明を受けていた。

「南さんと大空さんは別のクラスになります」

「わかりました」

 先生に頭を下げ教室を出た。

「それじゃあ夕夜さん。ヒヨコ荘で」

「うん。また」

 七海に手を振り夕夜は新たな教室に向かったて扉の前で立ち深呼吸をする。

「よし」

 扉を開くとソラがいた。

「あ。夕夜くん!」

 こっちに気付き向かってきた。

「夕夜、良かった。ヒヨコ荘で私、一人だけだからよろしくね」

「はい。よろしくお願いします」

 すると先生が朝礼を始めるっと言ってきた。

「移動しようか夕夜くん」

「はい」

 体育館に移動し椅子に座ると教頭先生が咳払いをしていた。

「え~これから朝礼を始めます。学園長。お願いします」

 昨日会った学園長が壇上に立った。

「「学園長の三島 王です。新入生の皆さんご入学おめでとうございます。私からは危なくないように楽しく空を飛んで欲しい。以上です」」

 その一言だけの軽い感じで終わり教頭先生が頭を下げた。 

「学園長ありがとうございました。続きまして生徒会長、三島 真冬さん。お願いします」

「はい!!」

 体育館全体に女性の声が響き渡る。

 壇上に上がった瞬間青髪が透き通っていて夕夜が見覚えがあった。

 昨日、学園長のところですれ違った人。あの人生徒会長だったんだ……。

 生徒会長はマイクのところに立ち息を小さく吸う音が聞こえた。

「「始めまして生徒会長の三島 真冬です。新入生のみなさん入学おめでとうございます。注意事項ですが皆さん空の事故についてもう少し危機管理を行えるようお願いします。近年では飛行可能な時間を超えて飛ぶ生徒もいます。それらは自ら命を落とすのと同じことなのです。ですから皆さん空を飛ぶという命の重みを知っておいてください!」」

 沈黙が流れ出した。

「「……私からは以上です」」

「ありがとうございました生徒会長。それでは解散としてください」

 一斉に席に立ちあがり教室に戻りソラと話していた

「凄かったですね。さっきの生徒会長さん」

「そうだね。真冬ちゃん真面目だから」

「真冬ちゃん? 知り合いなんですか?」

「うん。同じ学年だけど初めて飛ぶとき飛び方を教えてくれたんだ」

「なるほど……」

 真冬という名前はどこか冷たくも感じた。

 すると廊下の方でなにやら騒がしい。

 コンッ! コンッ!

 生徒会長が教室をノックしてきた。

「すいません。大空 夕夜さんはいらっしゃいますか?」

「む、むこうに居ますが……」

 一人の男子生徒がこっちを指さしていた。

「ありがとうございます」

 真冬がこっちに向かってきた。

「すいません大空さん。私と同行をお願いします」

 同行? なにか悪い事したかな?

 真冬に恐る恐る聞いてみた。

「会長さんが何の用ですか……」

 真冬は髪を搔き上げる。

「これから貴方にら空に飛んでもらう訓練をしてもらいます」

 夕夜は首を傾げてる。

「訓練、ですか?」

「そうです」

 するとソラが手を上げていた。

「私も夕夜くんの訓練に付き合うよ。真冬ちゃん」

「ありがたいですが三日月さんがわざわざ付き合って頂く必要はございません」

 ソラは頷いていた。

「うん。他は場所は真冬ちゃんならわかりやすく教えてくれるけど。は大丈夫?」

「…………」

 なぜか真冬は黙り込んでいたが頷いていた。

「そう、ですね三日月さん。同行の件よろしくお願い致します」

「うん。じゃあ行こ夕夜くん」

「え、はい……」

 そのまま二人の後を追い教室を出て行った。

 さっきソラが言ってた場所が気になった。

 プールに他の場所?

 空に飛ぶのにプールとは関係性が全く見当たらない。

 一体どんな訓練なんだ……。

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