フライボード

「それじゃあ始めようか」

 生徒会長は見学して準備体操を終えヒヨコ荘のみんなでプールに入った。

 七海は茜に泳ぎの訓練を教わっていた。

 ソラがこっちに来ていた。

「夕夜くんって泳げる?」

「普通ですかね」

「ほら、持ってきたぞ」

 京介は台車にタンクみたいのとホースが付いたのを持ってた。

「これは?」

「フライボードだ。さっき言ってたもの。せっかくだ! これを付けてやってみろ」

「え? いきなりですか」

「まあ、経験だ」

「わ、わかりました」

 付けてみると重い。

「手を持つグリップの先端が水圧で飛ぶ装置だからな」

「グリップ?」

 手元に二つあった。

 プールに入りスイッチを押すと足がどんどん上がる。

「お、おお!」

 視界がどんどん上がりスカイ・エアーと同じだ。

 けれど左右に揺れてそのまま右に倒れてスイッチを離した。

「大丈夫か!」

「はい」

 再度トライしスイッチを押すと今度はまっすぐに飛んでいく。

 体が後ろの方に傾きグリップをグイっと持ち姿勢をただそうとした瞬間が体が言うこときかず暴れ出す。

「のあぁぁ!」

 ジェットコースターに身を投げ出している感じだ。

 そのままプールに落ちていく。

「夕夜くん!」

 ソラが真っ先にプールに飛び込んだ。

 い、息が出来ない……。

 するとソラがこっちを来るのがわかり夕夜の肩を掴んで浮上した。

「ふぁ!」

 思いっきり息を吸い込む。

「夕夜! これを掴め!」

 救命浮き輪を思いっきり投げ。

「夕夜くんもう少しだから」

「ありがとうございます……」

 端っこまで行くと京谷が手を貸した。

「悪い無理にやろうって言って」

「い、いいえ大丈夫です」

 するとソラが抱きついてきた。

「え、ソラさん?」

「良かった……」

 すると茜はソラの頭を撫でていた。

「ソラ、抱きつき過ぎ。夕夜は会長の隣で休んでいて」

「はい……」

 なんでソラさんは俺のことをいつも助けてくれるんだろう。

 そう思いながら夕夜はソラの体温を肌に感じていた。

 すると真冬が駆けつけていた。

「大空さん! 大丈夫ですか?」

「はい」

「会長。夕夜くんを休ませてもいい?」

 真冬は頷いた。

「わかりました」


 ベンチに座り真冬は飲み物を手渡してくれた。

「気持ちが悪いのとか大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です」

 真冬は安堵していた。

「良かった……。生きててくれて」

 生きててくれて?

 真冬から着信音が鳴り出し出ていた。

「もしもし。はい副会長。……わかりました今すぐに戻ります」

 電話を切り立ち上がる。

「明日は実践となります。よろしくお願いしますね」

「はい。わかりました」

 真冬はその場を離れた。

 夕夜はさっき真冬が言ってた言葉が気になった。

 生きててくれて……。

「どうゆう意味なんだろう?」

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スカイ・エアー 二髪ハル @2kamiharu

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