空島学園

 船に乗り夕夜ははしゃいでいた。

「スゲー! 」

 どこまで見ても平行線の世界。下を見ると海が透けている。

「夕夜さん見てくださいイシダイですよ! イワシも! ほら他にも!」

 七海が指差すとあっちこっちと魚が泳いでいる。

「七海さんて、魚も詳しいんですね」

「まあ、この近くに住んでるからってだけですね。たまに五郎さんが持ってきてくれたりしてくれてるので」

 そういえば出発前にも名前とか確認してなかった。

「2人って知り合いなの?」

「はい。父と五郎さんが漁師なので。それで五郎さんが家に来てこのS.Eのこと話してくれたから飛んでみたいって思ったんですけど」

「なるほど」

「それで夕夜さんは空島に行こうと決めたんですか?」

「俺は空を描きたくてかな」

「空を?」

 七海は空を見上げて首をかしげた。

「飛んで空の上空や街並みを肌で感じたくて。そしたら良い絵が描けそうだなって」

「夕夜さん絵を描くのが好きなんですか?」

「うん。絵を描くのが好きだな。ちょっと待って」

 俺は船内に入りいつものスケッチブックを取り出し渡した。

「こうゆうのを描いているんだけど」

 ペラペラと七海はめくっていた。

「凄い上手いですね」

「ありがとう」

 やっぱり褒めらると嬉しいな。

 すると五郎が、声を荒げた。

「2人とも、もうすぐ着くから荷物まとめろよ!」

 目の前に島が見える。

「あれが空島……」

 自分の中は上空に浮かんである天空かなと思ってた。


 船置き場に到着し荷物を降した。

「それじゃあ頑張れよ」

 五郎はそのまま帰っていった。

「ありがとうございました!」

「ありがとう五郎さん」

 夕夜は深呼吸をした。

 潮風とこれから新たな生活が始まると言う気持ちで空気が美味しいかった。

「ふっふふ。待っていたぞ! 大空 夕夜!」

 振り返るとそこには仮面を付けていた謎の二人組が現れた。

「ねえ、あーちゃんこのお面付けないとダメ?」

「決まってじゃない。ソラがあの子を上空まで連れていったバツよ」

「えー……」

 一人はノリノリでもう一人はやる気がなかった。

 それにしてもさっきあーちゃんと言ってたけど聞き覚えが、それに空の上空……。

 夕焼けを描いたその光景が一瞬だけ蘇った。

 もしかして飛行機雲の女の子!

「さあやるわよソラ!」

「わかったよ。あーちゃん」

 彼女は一枚紙を取り出して読み上げた。

「えっと。ワータスケテ。大空くんヲツレテイッタカラ。ワ、ワルイヒトニツカマッタヨ」

「ふっふふふ。この娘は貰った! 返してほしければ我々と一緒に付いてくるのだ!」

 棒読みを呼んだいたけどもう片方はやっぱりノリノリだった。

「なんなんですかあの芝居……」

 七海はジト目で向こうの二人を見ていた。

「わからない……」

 するとソラと呼ばれていた女の子は仮面を

「「「えっ!」」」

 三人とも驚きしまう。

「もうあーちゃん。こんなことしないで普通に挨拶しようよ」

 仮面を付けてノリノリだった彼女は膝から崩れ落ちていく。

「そんな……。これから学園を案内しながら楽しんでもらうというストーリーが……ガクッ」

 ソラはそんな彼女を置いてこっちに来た。

「ごめんね。彼女サプライズが好きだから。えっと自己紹介まだだったね。私、三日月みかづき ソラ。あっちは山影やまかげ あかね。よろしくね」

 全く状況が付けめてないけど自己紹介をしないとかな。

「えっと大空 夕夜です……」

 続けて七海も挨拶する。

「南 七海です……」

「よろしく。それじゃあ学園長に挨拶しないとね。あーちゃん行くよ」

「ウッ……。ウッ……。筋肉怖い。怖いよぉ……」

 茜は立ち上がりならブツブツと言ってた。

 学校に入り扉が豪華なところに立った。

「じゃあ挨拶が終わったら呼んでね」

 空達はソファー座っていた。

「失礼します……」

 コンコンとノックし開けると埃も落ちていないというほど綺麗で上品な部屋だ。

 そして一人白髪で赤メガネをかけていた男性が座ってこっちを見ている。


「やあ待っていたよ。大空 夕夜くん。南 七海くん」

 

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