夏眠

入間しゅか

夏眠


ぼくのなをよぶ

こえにひかれた

ので

まっぴるま

はじけるなつの

あすふぁるとに

さかさにおちた


いっぴきのむし


もだえやかれて

いきていながら

ちしおがたぎる

なみだまでかれ

はてたからだに

やどるひめごと

のねつはやがて


きえていくさま

をながめるだけ

なきがらはただ

とむらいそこね

わすれさられて

びせいぶつたち

がむさぼりくう

しかたないから

つちへもどろう


しかしいっそう

つよくなをよぶ

こえがきこえる


だがぼくはもう

きみのなをよぶ

ことができない

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夏眠 入間しゅか @illmachika

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