『伝記を書くための場所』ミミクリの図書館


・状況


膨大な本が並ぶ本棚の図書館内部にキャラクターは何故か入っています。

どうやって、何故、ここに入ったのか、どっちに出入口があるのか、記憶を失っていて思い出せません。

図書館は古びた木の本棚に魔法の灯りの付いた年季を感じさせるもので、読むための椅子や広場や机などはありません。

本は普通の本もありますが、大半が判読不能なタイトルで、開くとページの上でインクが不規則に動き続けています。

魔力を感じることができるのならばここが独特の魔力が満ちていることを、あちこちに強力な魔道書があることを、そして霊感が優れてるならば耳が切り裂かれそうな悲鳴を感じることができます。

そうしている間にもこっそりと、黒い攻撃は始まります。


・外見


ミミクリはインクのような真っ黒な液体が流動して形となったものです。数は図書館に入った人数分現れます。

基本はざっくりとした人型で、目鼻のような細かな部分は省かれていますが、下記の攻撃を重ねるごとに対象のキャラクターに似た姿になっていきます。

このインクの体は無敵に近い強度と流動性を持っています。

インクの体に情報だけが乗っているような存在でゴーレムに近いです。その大きさは収集した情報の量と質により増減します。


・性格


造られた存在であり、自我と言ったものはなく、ただ与えられた最初の命令『伝記を書きあげろ』を忠実に実行しているだけです。

ですが下記の攻撃が通るたびにどんどんと強く、賢くなりますが、心や精神は一向に芽生えません。


・能力


インクは自由に形を変えることができ、力も人並みにありますが、流動する液体だけなので打撃力は低いです。

その代わりに、触れた相手から記憶を読み取ることができます。その間無理やりその情報を思い出させられている苦痛により異変には気がつけます。

そうして相手のことを知れば知るほどインクの量も増えていきます。

また図書館にある魔道書をインクの中に取り込むことで連動し、記憶の中のイベントを再現することも可能です。ただし元の世界の情報はあまりにも突拍子がないためなかなか再現できず、基本は今回の旅でのイベントに限定されます。そうして記憶を刺激してより多くの情報を引き出させます。

相手を殺害した場合、その死体を本に変え、魂を封じ込めることでじっくりと読書ができるようになります。

最終的には相手を完全に理解し、そして完璧なコピー(カラー)作りだして分離し、遠隔操作する事で伝記の残りを執筆します。

実はこの図書館に紛れている一冊の本が本体で、全てのインクの体を有線で操っています。線が切れたインクは液体に戻りますが、流れて本に戻ろうとします。

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