『極寒の静寂』イリンクスの流氷


・状況


時折オーロラが煌く空の下、極寒の海の上、流氷の上にいます。

ここまでは陸地と繋がっており、泳ぐことも無く徒歩でたどり着けます。また氷は場所にもよりますが中央部分は厚く、車程度ならば乗っても大丈夫です。

氷の下は当然海水で、水温は氷点下、水を掬い上げると瞬く間に凍り付きます。当然気温も低く、空気中の水分も凍り付いて落ちるため乾いています。風は微風です。

海中にも空にも生物は見当たりませんが、海底には引き裂かれて死んだ死体でできたヘドロが沈殿してます。

唯一動くのは氷の下の影だけですが、大半の場合は気が付いた段階で手遅れです。


・外見


イリンクスは全長が14mにもなる青色の巨大な魚です。その全身は金属のように固い鱗で覆われています。

形状は、前半分が翼の短いジェット戦闘機を思わせる形で、その後ろに長い尾が伸びています。

頭部は鮫に似ていて鋭い牙が並んでいます。また鼻先が一番硬く、巨大な氷山に激突しても砕き勝つほどの強度を持ちます。

頭部の横には鰓があり、そこから吸い込んだ海水を反対側、長い尾の付け根の左右から噴出することで高速で泳ぎます。


・性格


知能はシャチ程度で、動物では賢い部類です。

その上で、獰猛さと冷酷さという相反する性質を持ちます。

近くにいる生物は何者であっても敵と認識し、必ず殺そうとしますが、射程に入るまで静かに潜航して、一気に仕留めるようとする忍耐強さもあります。

肉食なので食べもしますが、例え満腹だったり獲物を取ったばかりだったりしても襲い掛かります。それは水中、空中問いません。


・能力


単純なサイズとパワーだけでも単独で鯨を食い殺せるだけの能力があります。

魚なので鰓呼吸が必要なのですが、その機能に特殊な脂肪を混ぜ溶かすことで文字通り爆発させ、爆発的な推進力を得ます。

この加速は、水中で完全停止の状態から約四秒で最高速の時速110㎞まで到達できます。また短時間であれば空中と飛ぶことも可能です。その際の速度は最高で時速300kmを記録したこともあります。

この加速による体当たりが最大の武器ですが、例え外したとしても押しのけられた水や風の奔流が相手をもみくちゃにします。

ただしこの加速は鰓を用いるため、使用中は呼吸ができなくなり、長時間連続の使用はできません。

空気中の相手は濡れたり沈んだりしたら死ぬこともわかっており、直接的な攻撃が効かないとなれば環境を用いた攻撃に切り替えてきます。

物理的な衝撃により死亡した場合、脂肪が爆発して周囲に甚大なる被害をもたらします。

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