第3話 お弁当
結局屋上に来てしまった。するとそこには茶色く長い髪が風になびかれている有朱がいた。
「や、やあ伊藤さん」
「うふふ、やっぱり来てくれた。神楽くんってやっぱり優しいのね。はい、君のお弁当」
と言いお弁当を渡してくれた。ありがたく受け取り早速食べてみよう。
「「いただきます」」
「う、うめぇ!すごいね伊藤さん!!」
「そう言われると作ってきたかいがあるわ。それにしても伊藤さんはちょっと酷くない?有朱ってよんでほしいなぁ」
「わ、わかったよ、ありす」
「うん!それでいいわ!じゃあお弁当を食べちゃいましょう」
そして僕達はお弁当を食べながら談笑したりしてあっという間の昼休みだった。
「じゃあ、またあいましょうね」
「うん、楽しかったよありがとう」
「は、はい」
ありすは少し頬を赤らめて返事をした。やっぱ天使っているんだなあと思いながら教室に戻った。そしてすぐ颯太が絡んできた。
「なあなあ、天使の手作り弁当どうだった?美味かったか?」
「あぁ。美味かったよ」
「お、お前が褒めるとは珍しいじゃん。よっぽど美味かったんだな。まったく羨ましいぜ」
「はいはいわかった。授業始まるから席つこうぜ、な?」
と言いめんどくさいから席に座らせた。
午後の授業はまたしても集中できなかった。お昼に一緒に食べた有朱のことをにやけてしまう。
(ほんとに天使は存在するんだね)
何度もそのように考えてしまう。だって有朱は噂によれば、勉強も運動もできるらしい。そして何より可愛い。
(世の中は不平等だ)
そう思いながら授業を受けているともう放課後。帰りのホームルームを受けていると廊下がざわめき始めた。ホームルームが終わり帰ろうとすると手を掴まれた。
「あの、一緒に帰りましょう!」
そう有朱が言ってきた。
え???
学園の天使と青春を めりー @Rufus-Mira
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