第2話 約束

今日もいつも通り退屈な一日が始まる。教室に入り授業を受け帰って寝る。そんな一日が始まる。いや始まる予定だった。それは朝に起こった出来事だった。


「なあ神楽、なんかお前を呼んでるやついるぞー」


颯太にそう言われ言ってみるとなんと昨日助けた有朱がいたのだ。


「え、どうしたの?」


「あ、あ、あの!今日一緒にお昼ご飯食べませんか?実はお弁当を作りすぎちゃって…。」


「べつにいいよ」


「ありがとうございます!じゃあお昼休みに屋上で待ってますね!約束ですから絶対来てくださいね!」


有朱はるんるんとスキップして教室に帰って行った。教室に戻ると男子からものすごく睨まれた。すると颯太がおいおいと言いよってきた。


「神楽いつの間にあの天使と仲良くなったんだ?」


「ん?ああ、昨日ヤンキーみたいなやつに絡まれてたから助けただけだよ」


「かぁぁー!!いいなああの天使と二人でお昼を一緒に食べるなんて。まったくお前が羨ましいぜ」


「さっきから天使、天使ってなんなんだ?」


「ん?知らないのか?あの人はな、この学校で一番美しいから天使って言われてて、色々な人があの人を狙ってるんだぜ」


えええ!そんなの知らなかった。そんな人と友達になってくれなんて申し訳ないと思ってしまった。やっぱり友達になるのはやめようかな。


「あ、チャイムなったから席つこうぜ」


颯太が言った。朝のホームルームからソワソワしすぎていつの間にかお昼の時間になっていた。

おれ、どうしよう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る