第5話 小倉駅→行橋駅
鹿児島本線を上ってきた特急「ソニック」は小倉駅で進行方向を変え、今度は日豊本線を下っていく。小倉駅を出ると、すぐに紫川信号場をくねくねと横断して日豊本線の線路へと入る。西小倉駅を通過して大きく左にカーブをし、すぐさま鹿児島本線と別れる。しばらくは小倉総合車両センターの回送線と並走する。右手に小倉総合車両センターを望みながら、列車は緩やかに左にカーブをしながら南小倉駅を通過する。南小倉駅を出ると紫川橋梁を渡り、モノレールの高架下を潜ると、日田彦山線が分岐する城野駅を通過する。南小倉駅、城野駅は共に近隣に学校が多く、通学客で賑わう駅である。また、城野駅周辺は橋上駅舎化に伴い再開発が進められている。因みに、北九州市立大学や小倉競馬場にはモノレールを使うのが一般的だが、JRを使う場合は城野駅で下車後、バス乗換となる。
城野駅を過ぎると、列車は北九州市内の住宅街を縫うように走りぬく。左手に桜の名所、安部山を望みながら国道10号高架下にある安部山公園駅を通過する。列車は右手にサンリブシティ小倉等の商業施設を眺めながら進む。九州道の高架を抜け、竹馬川を渡ると下曽根駅を通過する。日豊本線の乗車人員ランキングでは、長らく大分駅、行橋駅に次ぐ3位であったが、2016年度に行橋を抜かして2位に浮上した。普通列車も下曽根駅までは大抵混んでいる。特急「ソニック」も通勤客対応のため、朝に上り3本、夕方以降に下り5本のみだが停車する。また、移転前の北九州空港の最寄り駅でもあり、空港跡地には九州労災病院などが整備されている。南口は区画整理されており、住宅街が広がるほか、郊外型ショッピングセンターであるサニーサイドモール小倉(旧ザ・モール小倉)が隣接している。
下曽根駅を出ると、県道25号と並走し、右手に田園風景が広がる。国道10号曽根バイパスの高架を潜って左にカーブすると、北九州空港の最寄り駅、朽網駅を通過する。この駅から北九州空港行きのエアポートバス(路線バス)が接続するが、朽網駅は普通列車しか停車しないため、特急利用の場合は注意してほしい。
朽網駅を出ると、TOTO朽網工場の脇を通過しながら、南下を続ける。東九州道苅田北九州空港ICの高架下を潜ると左手に工業地帯を望みながら田園風景の中を走行する。次第に住宅が増え始めると、全国でも有数の財源の安定している自治体である苅田町の中心部となり、苅田駅を通過する。苅田町と福岡県は苅田駅を北九州空港の最寄り駅としてアピールしているが、苅田駅から北九州空港へ向かうバス路線は現在運行されておらず、タクシー利用となる。ちなみに、朝の1往復のみだが苅田駅~下関駅間の区間列車もある。
苅田駅を通過すると、しばらくは住宅街を走行し、途中で右手に県立苅田工業高校を望みつつ、緩やかに右に進路を取りながら南下し、西日本工業大学が左手に見えると小波瀬西工大前駅を通過する。名前の通り、西日本工業大学の最寄り駅であり、駅前に大学の敷地がある。この駅から苅田港への貨物支線が伸びていたが、2016年に正式に廃線となった。元々信号場だったのでホームの幅が狭く、駅の改良工事が望まれている。
小波瀬西工大前駅を出ると、再び田園地帯となるが、国道201号線行橋バイパスの高架を潜ると線路は高架区間となり、行橋市街に入る。列車は間もなく北九州市のベッドタウンかつ京築地域の中心都市、行橋市の中心駅である行橋駅に到着する。「ななつ星in九州」を除く全ての列車が停車する重要な駅で、小倉―行橋間の区間列車も多数運転されている。自動放送はJR線だけでなく、平成筑豊鉄道の案内も丁寧に行う。駅舎は20世紀末に行橋機関区跡を再開発する形で高架化されたが、とにかく曲線に拘ったデザインである。屋根も曲線を意識した扇形をしており、駅名票も2020年に取り換えられるまでは、扇形のオリジナル仕様であった。因みに、旧駅舎は明治36年築の立派な木造駅舎であり、もし残っていたら、鳥栖駅舎などと共に貴重な存在となったいた可能性もあるが(笑)
行橋でお降りのお客様、お忘れ物なさいませぬよう、今一度お手回り品をご確認ください。平成筑豊鉄道田川線、犀川、田川伊田、直方方面はお乗り換えください。
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