第百三十話 事の顛末
それからヴァイブレの
ほんの少し前――。
その聖騎士の少女は、
その中にはソニックの父親である
「えぇッ!? じゃあやっぱりソニックは本物の王子さまなのッ!?」
ビクニが
ぼくはそんな落ち着かない彼女を見ているのが楽しくて、つい笑うように
「知らなかったのですか? ソニック王子はこの愚者の大地でも
「ヴァイブレ。この女のことはいいから話を続けろ。それとそんなどうでもいいことを誰が話せと言った? 俺は“今の愚者の大地”のことを訊いたんだ」
なんだかちょっと
言われたヴァイブレは
なんだかソニックがいつも以上に
いや、王子さまだから
まあ、いいや。
それからコホンと
聖騎士の少女がいくら強かろうと、愚者の大地の権力者たちも負けてばかりではない。
今までいがみ合っていた彼らだったけど。
聖騎士の少女のあまりの強さや、自分たちが住む国が
ヴァイブレも
「しかし、それでも
だけど、愚者の大地を制圧した聖騎士は、その戦乙女ワルキューレに
「しかし、こうやってまた
ヴァイブレはそう言うと、
いや、ずっと
同じ一族の仲間も――。
みんなみんな殺されちゃって、ずっとこんな
そりゃ王子さまのソニックに会えたら泣いちゃうよね。
「ヴァイブレ。泣いてないで話を続けろ。早くここで何が起きているのか話せ」
だけど、ソニックは変わらず冷たい
なんだか今日はいつも以上にキツイよ。
「ちょっとソニック! ヴァイブレさんの気持ちも考えてあげなよ!」
そんなソニックの態度を見て、ビクニが
せっかく会えた吸血鬼族の生き残り同士なのに、どうしてそんな言い方しかできないのか?
ソニックが生きていたことを知って
「お前には関係ない」
「関係あるよ! 私たちはもう
言い
ヴァイブレは何故か
「おお……やはり二人は
あらら、おじいちゃんの勘違いが
まあ、ぼくは楽しいからいいけどね。
それにビクニとソニックが仲良しなのはホントだし。
「だから何を勘違いしてんだヴァイブレッ!」
「ヴァイブレさん! 違うのッ! 他人じゃないっていうのはそう言う意味じゃなくてぇッ!」
ソニックもビクニも
ヴァイブレは二人の話なんて聞かずに、食事の
「お前が誤解するようなことを言ったからだ!」
「なによ! 私のせいだって言うの!? だいたいソニックの態度が悪いんじゃない!」
残されたぼくら――いや、ビクニとソニックはまた言い争いを始めたのだった。
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