第八話 世界は平和に
リンリがホーリー·ソードでバハムートを
私はライト王国の城にある一室のベットの上にいた。
長い黒髪はだらしなさを
私は特に何をするでもなく、ただ横になって猫のように丸まっていた。
「ちぃーす、ってビクニ、まだそんな
今私の部屋に入ってきた女の人の名前はラビィ·コルダスト。
このライト王国のメイドの一人であり、私の身の回りの
いつも
彼女の
ちなみに私は、彼女のことをラビィ
「え~別にいいじゃん。どうせ今日も誰とも会わないし」
「うちと会ってんじゃないっすか」
「ラビィ姉はいいの」
私の
何故こんなことになっているのかというと――。
リンリがバハムートを倒した後。
私たちは剣の
だけど――。
「では、打ってきてください」
「は、はい。うおりゃ! って!? 重い、重すぎるよこの剣ッ!? うわあ~!」
剣を振れば、その重さで身動きが取れなくなった上に転んでしまう。
「では、手を
「は、はい。はぁぁぁ! うん!? やった出たよ!」
「うわぁ!
魔法を使ってみれば、魔力のコントロールはできずにお城を穴を開けてしてしまう
といった感じで、何もものにならなかった。
そんな私と違い、リンリはメキメキと実力をつけて、ついには
本当だったら私も一緒にいくはずだったのだけれども……。
「ビクニ。すぐに世界なんか平和にしてすぐに
ライト王国の
すぐすぐ言っていて頭悪そうだけど、もう誰がどう見ても
「気を付けてね、リンリ。死んじゃったらイヤだよ」
「大丈夫だよ、ビクニ。世界を救うなんてワンパンだよ、ワンパン」
そう、前と同じことを言いながら、何もない空中に向かってシュシュっとジャブを連打するリンリ。
おいおい、あんたは聖騎士なんだから剣と魔法を使わないとダメだろう、と言いたくなったがやめておいた。
そして、私はメンヘルにもお別れの
「メンヘル。あの……リンリのことをお願いします」
「
「あと、リンリの
「信用ゼロだねぇ……」
それから二人は、リンリが倒したことで正気に戻ったバハムートに乗り、世界を救う旅へと飛び立ってしまった。
その
私は元の世界と同じく部屋に引きこもり、ライト王に
そして、今や世界は平和になった。
モンスターが暴れることがなくなり、他の
そう――。
リンリとメンヘルが世界を救ってくれたんだ。
「たまには
やる気のない声で私に言うラビィ姉。
こういう
それが、私が彼女を気に入っている理由だ。
どうも他の人はお節介というか、口うるさいか、放置するかの二択だから――。
だから、私はラヴィが好き。
まあ、ライト王国の人はみんな良い人なんだけどね。
どうも私にとって、それが居心地が悪かったりする。
この性格はいつか直したけれども。
居心地が悪いとか生理的に不快なことって、自分でどうにかできることじゃないねぇ。
「え~別にいいって。それよりも今日の
「さっき朝と昼の分を食べたばかりなのにもう夜メシの話っすか? まったくリンリは食うことにかけちゃ
こうして私――ビクニの異世界引きこもりライフは続いて行くはずだったのだけれども……。
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