第七話 聖騎士の目覚め
バハムートが
突然
「ライト王様、今のうちにリンリとビクニを連れてお逃げください!」
メンヘルがそう
あのしまりのない顔が、別人のようにキリッとしている。
いくら私たちが軽いとはいえ二人――。
もうお
「安心するのだ。お前たちは必ず守ってみせる。死んでいった兵士のためにも……この世界のためにも……ここで二人を
息を切らしながら、笑みを浮かべて私たちに
私はすでに泣いていたが、そんな王様の思いや
しばらくして城が見えてきた。
「よし、あそこにさえ戻れば!」
ライト王がそう言った瞬間――。
空からバハムートが現れた。
そして、ゆっくりと地面に着地し、私たちの前へと立ちはだかった。
その手には
「我から逃れられると思ったか? けして逃がさん、逃がさんぞ!」
ボロボロになったメンヘルを投げ
また炎を吐くつもりだ。
「そうはさせん!」
ライト王は私たちを地面へ置くと、剣を
でも、ドラゴンの
「王族ごときが
「うがぁぁぁ!」
怖くて仕方がない。
もう何も見たくない。
人が死んだり、
だけど、ドサッと音が
そこには右の肩から腕を食い
見たこともないくらい血が流れていて、王様の着ている服を赤く
「リンリ、ビクニ、逃げるのだ……」
そんなになってもライト王は、私たちのことを心配していた。
だけど、
そんな姿を見て、もう逃げ出すことはないだろうと思ったのか、バハムートはゆっくりと私たちのほうへと向かってくる。
……殺されちゃう。
私……こんなところで殺されちゃう。
いきなり異世界に
ふと、横を見ると、リンリが私を
「リンリ……」
「大丈夫だよ。ビクニはあたしが守るから!」
リンリがそう言うと、突然頭に付いていた
そして、その光が彼女の手に集まり、
その剣は2メートルはあろう長さで、
身長150センチくらいのリンリが持つと、見た目以上に大きく見える。
「その剣はまさかッ!? ホーリ―·ソードかッ!?」
剣を持ったリンリの姿を見て、バハムートが
そして、リンリはその大きく重たそうな剣を
ホーリ―·ソードと呼ばれた剣は、さっき鋼鉄の剣が折れてしまうほどの固さを
すると、黒いオーラのようなものがバハムートの体から出ていき、その場に
「あら? 今のでやれたんだ。やっぱワンパンじゃん」
リンリは、自分で剣を振るっておきながら、まさか倒せるとはといった顔で自分の頭を
「ね、あたしが守ってあげたでしょ」
そして、
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