第四話 選択の祠と大賢者メルヘン
その
移動中に
……こんなことなら、まともな服を着ていればよかったよぉ。
部屋で猫たちとゴロゴロしていた私の
普段は近所のコンビニへ行くときもこの格好だけど、今はいかんせん目立ちすぎる。
こんな
「ここだ。中には
そう言ったライト王は、とてもにこやかだった。
この人はさっきからずっと笑ってる。
きっとこのお
……って、まだよく知らないのに。
やっぱり私ってチョロいのかな……。
それから、ファンタジー系の
ちょっと前に図書館で借りた本に、今の私たちと似たような
大体こういうところに行くと、
きっとその大賢者とかいう人が、私とリンリにチート能力をくれるのかな?
……チート。
たしか本当の意味は、ズルとか
今ではあり
もし私たちみたいな、どこにでもいる女子中学生が世界を
選択の祠の中は、
所々に
まあ、これはこれで
「キャ~スゴい! まるで『インジャン・ジョーの洞窟』だね」
「それって、たしかマーク·トウェインだっけ?」
「え~ダレそれ知らない。そんなんじゃなくて『トムソーヤ島』だよ」
「リンリ、あんたにとってファンタジーはすべてディズニーか……」
脳内ディズニーランドの
「ここが選択の祠から
ライト王が言うように、その広がった空間には
松明の明かりや周りの
「
そこには男がひとりで立っていた。
私たちを召喚した部屋にいたおじさんたちとは違い、白いローブを着た若い男だ。
年齢は20代後半くらいかな?
ここに居るってことは、きっとこの人が大賢者――。
「もう知っているかもしれないけど、僕の名前はメンヘル·グース。一応大賢者なんて呼ばれている者だよ」
やっぱりだ。
それにしても賢き者と書いて賢者なのに、この人のしまりのない顔はなんなんだ。
そのせいか、ただの気のいいお兄ちゃんにしか見えないんだけど……。
そして、私たちもさっきよりも簡単な感じで自己紹介をした。
「あたし、
「わ、私……
「うんうん、リンリにビクニか。予定通り二人とも
メンヘルは
少女、女の子は良いなどと言いながら。
……やっぱりこのメンヘルとかいう大賢者……ロリコンなのでは?
本当に大丈夫か……この人……。
私がそんな不安を
まだ出会ったばかりだというのに、もう仲良くなったのか。
こういうのって
「じゃあ、リンリにビクニ。とりあえず服を
「えッ!?」
いきなり何を言い出すんだと
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