第10話 クリエイト
「何から始めます?」
「まずはダンジョンを広げられるだけ広げちゃおう」
「わかりました」
何かを作るわけじゃないから〈被造物管理〉でいいのかな?
ダンジョンマネージャーのトップ画面に戻り〈被造物管理〉から〈階層〉を選ぶと〈創造〉〈拡張〉〈属性変更〉〈配置〉というのが現れた。
まずはダンジョンを広げるということで〈拡張〉を選択し、拡張する階層を選ぶ画面が出てきたので第一階層を選択すると正方形に近い長方形が表示された。
マスタールームを拡張したときと同じように四つある辺を順番に指で押し広げて四角形を限界まで大きくしてから第一階層を拡張する。
「終わりました」
四角いから何とも言えないけどだいたい倍くらいになったかな? 結構魔力を使った気がする。
「うん。じゃあ次は階層を増やしてもらえる?」
「はい」
画面を戻して〈創造〉を選ぶ。ここからも〈創造〉に飛べるのは楽でいいな。
〈創造〉を選ぶと火山列や氷床という進むだけでも体力を消耗しそうな階層や、洞窟や森林などのレジャー気分で楽しめそうな階層などのサムネが表示された。
「マスタールームでいうところの属性みたいなのがあるっぽいんですがどれにします?」
タブレットを皆のほうに向ける。
「熱かったり寒かったりすると私達が出なきゃいけないときに困りそうだけど、防衛する場合はそっちのほうが有利だよね?」
「そうですね」
「一階と二階は入れ替えたりできるのか?」
「わかりません」
階層を管理する画面に〈配置〉っていうのがあったからできそうな気もするけど、第二階層を作ってみないことには調べようがない。
「ウムルはわかるか?」
「できるよ!」
「うむ。それなら新しく作るのは火を使う敵を間引けるようなものにして、今ある森は二階にすればいいんじゃないか?」
「じゃあ今から作るのは氷とか水が多い階層ってことですかね?」
「そうだな」
「どっちがいいんですか?」
「氷がいいんじゃないか?」
「何でですか?」
火属性には水属性が効くイメージなんだけど。
「火を扱うモンスターに限ったことじゃないが寒いと動きが鈍くなるだろう? 罠に掛けるにしても戦うにしても動きが鈍くなってるほうが楽じゃないか?」
「確かにそうですね」
モンスターは防寒着とか着ないだろうし寒くすれば大概のモンスターは動きが鈍って倒しやすくなるのか。
「ユリスさん達はどっちがいいですか?」
「氷もいいけど水の
「ハジメさんなら両方作れるんじゃないですか?」
「たぶん作れるとは思いますけど、階層って際限なく増やせるわけじゃないですよね?」
ウムルに皆の視線が集まる。
「普通に作る場合はダンジョンレベルより一つ多く作れるよ!」
じゃあ今は二つか。両方作るには足りないな。
「普通じゃない作り方っていうのはどんなものなんですか?」
「物をランダムに創造できるところがあって、それを使って作った階層とかは作った数に含まれないよ!」
「出る確率とかってわかりますか?」
「わかんない!」
「そうですか」
じゃあ正攻法で行くしかないか。
「ダンジョンのレベルってどうやったら上がるんですか?」
「ダンジョンの能力でモンスターとか罠を創造したりして魔力を消費すると上がるよ!」
「なるほど」
魔力を使ってれば上がるのか。それなら思ってたより簡単に上がりそうだ。
「ダンジョンレベルが上がると階層を増やせる以外に何かできるようになるんですか?」
「創造できるモンスターとか罠の種類が増えたり、マスターを元の世界に帰せたりするよ!」
なるほど。
「まずはレベルを上げたほうがよさそうですね」
「うん! そうだね!」
「ということなんですが、生み出したいモンスターとか道具ってありますか?」
「ウムルちゃん、ダンジョンの階層って作ってから属性を変えられたりするの?」
「うん!」
「なら先に新しい階層を作っちゃってもいいんじゃない?」
「そうですね」
階層はモンスター達よりも必要魔力量が多いみたいだから手っ取り早くレベルが上げられそうだし、そこでレベルが上がればできることの幅が増える。
「どれにします?」
「まずはウォーターケイブを作って、そこでダンジョンのレベルが上がったら氷の階層を作ろう」
「わかりました。シルヴィーさん達はそれでいいですか?」
「両方作るならどっちからでもいいと思うぞ」
「私もです」
「我が輩も!」
「わかりました。じゃあ作りますね」
タブレットを操作してウォーターケイブのあるところまで画面を移動させる。
ウォーターケイブは洞窟の岩が水になったような階層で、水の中にトンネルがあるような見た目をしている。
必要魔力量は百八十……? ウムル達の三十倍もある。備考欄には〈通路の床はありますが壁はありません〉と書いてある。
……凄いな。
水の中から攻撃し放題だし、罠で水の中に押し込んで溺れさせることもできるし、水中を移動できるモンスターなら相手を水中に引き込んだりもできる。
……これ敵が使ってきたらヤバいな。
ウォーターケイブをタップして〈創造〉を選び〈この階層を創造しますか?〉と出てきたので〈はい〉を選んでウォーターケイブを作る。
選択するとすぐに魔力が抜けて身体が重くなった。
あ、これは怠い。
「大丈夫か?」
「はい……ちょっと休憩がいるかもしれませんが大丈夫です」
「じゃあ一旦休憩にする?」
「はい。お願いします」
ふぅ、想像してたよりもだいぶ怠い。
「ハジメさん」
「はい」
「ちょっと聞きたいことがあるんですが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「これはどうしたらいいんですか?」
リューズさんが持っていたタブレットを見せてくる。
「あぁ、それは上にある帯に触れるか該当するアプリを開けば消えますよ」
「わかりました」
通知が来ていたので対処法を教えるとリューズさんはタブレットを操作し始めた。
……ん? 今ダンジョンレベルが上がったって書いてなかったか?
自分のタブレットを確認するとこちらにも通知が来ていたのでバナーに触る。
「ダンジョンのレベルが二になったみたいです」
自分がバナーに触れたのと同時にリューズさんがレベルアップを報せてくれた。
「じゃあハジメ君の魔力が回復したら次は氷がある階層を作ってもらって、それから本格的にダンジョンの強化に入ろう」
「わかりました」
とは言ったものの、自分の魔力がどれくらい回復してるのかよくわからないんだよね。
自分のステータスを見るためにタブレットに目を戻し、通知を開いたためかダンジョンのステータス画面が開いていたので戻るボタンを押す。
ダンジョンのステータス画面から一つ戻ると〈迷宮創造主〉〈ダンジョン〉という項目が並んでいる画面になった。ここはトップ画面にあった〈ステータス〉を開いたあとの画面かな。
〈迷宮創造主〉をタップすると〈辰子創〉と〈シルヴィー〉の二項目が表示されたので自分の名前を選ぶ。
魔力のところは〈八(十一)〉になっている。今はレベル八相当にまで回復してるってことか?
「もうすぐ回復するみたいです」
皆に伝えたところで〈九(十一)〉になった。
「身体は大丈夫?」
「はい。だいぶ楽になってきました」
「わかった。それじゃ氷の階層を探そう」
「はい」
戻るボタンを連打して最初の画面に戻り〈創造〉から〈階層〉を選んで氷が多い階層を探していく。
「どんなのがいいんですかね?」
「できるだけ寒そうなのがいいんじゃないか?」
「これはどうですか?」
リューズさんが自分で持っていたタブレットを皆に見えるように出した。
タブレットに映っているのは雪の原という階層で、平地に雪が降り積もっていてところどころに氷の塊が見える。
必要魔力量は百二十で、備考欄には〈風が吹きます〉と書いてある。
「氷の階層ってウォーターケイブのあとに来るんですか?」
「そのほうがいいんじゃない?」
「それならこの階層がいいんじゃないですか?」
「何で?」
「ただ気温が低いよりも風が吹いてるほうが身体が冷えると思うので」
「他に氷が多くて風が吹くような階層はないの?」
「んー……氷っぽい階層は他にもいくつかありますけど、風が吹いてるって書いてあるところはなさそうですね」
「私も調べてみましたが他には見つかりませんでした」
「そっか。じゃあそれにする?」
「シルヴィーさんはどう思いますか?」
「雪があるってことは寒いんだろう?」
「たぶんそうだと思います」
「じゃあそれでいいんじゃないか?」
「ウムルは?」
「いいと思うよ!」
「わかりました。それじゃあ作りますね」
雪の原を選んで創造すると再び魔力が一気に抜けて身体が重くなる。
さっきよりは軽いけどやっぱり怠いな。
「大丈夫か?」
「はい、さっきのに比べたら全然楽です」
「そうか」
「じゃあハジメ君には少し休んでて貰って、私達は階層の場所を入れ替えちゃおう」
「そうですね」
「うむ」
「よろしくお願いします」
「誰が操作する?」
「リューズはさっき使ってたがユリスはまだ使ってないんじゃないか?」
「うん」
「いつ使うかわからないんだから慣れておいたほうがいいだろ?」
「そうだね。私のは防具と一緒に置いてきちゃったから誰か貸してくれる?」
「じゃあ自分のやつ使います?」
「うん、ありがと」
ユリスさんにタブレットを渡す。
「じゃあわからないところがあったら聞くと思うけど、それまでは休んでて」
「はい」
まぁ普通に操作するだけならわからないところなんてないだろうけどね。
自分が返事をするとユリスさんがスリープを解除してタブレットの操作を始めた。
「まずは何をすればいいの?」
おぉ、早いな。
「簡単なことろなら私が教えられるのでハジメさんは休んでてください」
「はい、お願いします」
「はい。まずは左上にマークがあると思うのでそれを押してください」
「うん」
ユリスさんが恐る恐ると言った様子で戻るボタンを押してる。
「押したよ」
「はい。それは戻るときに押すボタンみたいなので覚えておいてください」
「わかった」
「戻り続けるとメニューが出てくるので〈被造物管理〉というのを押してください」
「わかった」
それからしばらく皆でユリスさんの様子を見守る時間が続いた。
自分が操作してるときもこんな感じだったんだろうか?
「第一階層がウォーターケイブ、第二階層が雪の原、一番下の第三階層が最初の森林でいいんだよね?」
「はい」
「じゃあ移動させるね」
そう言って少しタブレットを操作するとユリスさんの手が止まった。
「第一階層が変わるからダンジョンの出入口の場所を決めないといけないって出てきたんだけど」
あ、そっか。今の第一階層が第三階層になっちゃうから出入口の場所も変えないといけないのか。
「どこにする?」
「ここで決めたあとにも入り口の場所って移動できるんですか?」
「できるよ!」
「じゃあとりあえず第二階層に行く道の反対側とかでいいんじゃないですか?」
「うん。じゃあそうするね」
タブレットに目を戻したユリスさんは一度だけタップすると再び動きを止めた。
「ごめんハジメ君、二階層に行く入り口ってどれ?」
「黒い円はないですか?」
「ないよ」
ないの?
「ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「うん」
ユリスさんからタブレットを受け取って確認する。
画面上には第一階層を表した正方形に近い長方形が映っているが、どこにも黒い円がない。
ダンジョンの出入口は今から決めるから映ってないのはわかる。でも何で第二階層への入り口までないんだ?
「ウムルさん、これは一体どういうことでしょうか?」
「ちゃんと各階層の出入口も作らないとダメだよ?」
マジか。
「じゃあ一先ず適当に置いちゃいますね」
「うん」
適当に端っこのほうをタップすると黒い丸が現れた。
「できました」
「身体はもう大丈夫?」
「はい」
「じゃあ出入口も作ってもらえる?」
「はい」
〈被造物管理〉画面まで戻してから〈出入口〉、〈創造〉と進むと〈ダンジョン〉〈マスタールーム〉〈階層〉の三つが現れたので〈階層〉を選ぶ。
「色んな形があるみたいです」
〈階層〉を選択すると階層移動用オブジェクトというのがいくつも出てきた。
「これもあとで変えられる?」
「変えられるよ!」
「場所の移動もできる?」
「できるよ!」
「そっか。それなら今は無難な階段とかにしておいて、道とか罠を作ってから変えればいいんじゃない?」
「そうですね」
階層移動用オブジェクトは入口用と出口用に別れているみたいなのでまずは出口用の階段を第一階層と第二階層の端っこに設置する。
次に入口用の階段を選んで第二階層に設置すると〈リンクさせる出口を選択してください〉というメッセージが現れて出口を選ぶ画面になったので第一階層に設置した出口用の階段を選んでリンクさせる。
第三階層も同じように階段を設置して第二階層の階段とリンクさせ、出入口の設定は完了した。
「終わりました」
「ありがと。次はどうする?」
「第一階層と第二階層はこの大きさで大丈夫ですか?」
「あ、そうだね。広くしてもらってもいい?」
「はい」
階層を拡張する画面まで移動して新しく作った第一階層と第二階層を拡張する。
……またちょっと怠くなってきた。
「できました」
「じゃあ次は道を作る?」
「そうですね」
「その前に一ついいですか?」
タブレットをいじっていたリューズさんが顔を上げて話に入ってきた。
「どうしたの?」
「マスタールームの入り口がダンジョンの出入口の裏側になったままなんですが移動させなくても大丈夫ですか?」
「変えられそうなの?」
「はい」
「皆はどうしたい?」
「移動させた場合、入り口の形ってどうなるんですか?」
「今と変わらないよ!」
「変わらないってことは空中に穴が空いてるような感じになるってことですか?」
「そゆこと!」
「変えることはできないんですか?」
空中に穴が浮かんでるのは違和感しかない。
「マスタールームはあの形の入り口しかないから無理だよ!」
「他のダンジョンも同じってことですか?」
「そゆこと!」
じゃあ仕方ないか。
「そうですか。じゃあ入り口から一番遠いところでいいんじゃないですか?」
「何で?」
「森のほうが入り口を隠しやすいのと、万が一敵に鍵を奪われたときに敵のモンスターが流れ込んでくるのを防ぐためです」
「皆は?」
「それでいいと思います」
「いいんじゃないか?」
「いいと思うよ!」
「じゃあとりあえず第三階層に移動してもらってもいい?」
「わかりました」
リューズさんは返事をするとタブレットを操作し始めた。
「場所は入り口から遠いところでいいですか?」
「うん、お願い」
リューズさんが画面をタップする。
「できました」
「うん、ありがとね。じゃあ次は道を作る?」
「ダンジョンピボットの場所ってマスタールームで固定なんですか?」
出入口の場所も決められるくらいだからダンジョンピボットも移動できそう。
「移動できるよ! ちなみに数も増やせるよ!」
そういえば敗北条件はダンジョンピボットを「全て」破壊されるか全員が再起不能になるか降参するかの三択だったな。
「数の限界はいくつですか?」
「階層と同じだよ!」
じゃあ今は三つか。
「どうします? 先に作っちゃいます?」
「邪魔になりそうだし道を作ってからでいいんじゃない?」
「それもそうですね」
「じゃあ今度こそ道作りだね」
「はい」
「ウムルちゃん、道はどうやって作ればいいのかわかる?」
「オブジェクトを置いていけばいいと思うよ!」
「ウォーターケイブは割としっかりした道ができてたと思うんですが、これはどうすればいいんですか?」
第二階層の雪の原や第三階層の森林と違い、ウォーターケイブは洞窟なので最初から道のようなものがある。オブジェクトを追加することで道を狭くしたり行き止まりを作ることはできそうだけど、逆に言えばそれくらいしかできそうにない。
「属性を変えたときに出てきたものとかは自力でどうにかするしかないよ!」
階層として出てきてるからオブジェクトとしては管理できないってことかな?
「じゃあウォーターケイブは後回しにして雪の原と森に道を作ろう」
「そうですね」
ウォーターケイブの利点は周りが水ってことだろうし、何か作戦がないならそのままでよさそうだ。
「どんな形にする?」
「とりあえず雪の原は風を遮らないほうがいいですよね?」
「うん、そうだね」
平らな場所に風を遮らないように道を作る……よし、何も浮かばないから丸投げだな。
「どんなのがいいですかね?」
「私は何も浮かばないや」
「私もです」
「我が輩も!」
「何もないなら無理して道を作る必要はないんじゃないか?」
「それもそうですね。じゃあとりあえず今は道を作らず次に行きますか?」
「うん、あとで何か浮かんだら皆で話し合おう」
「はい」
何かさっきから後回しにしてばっかりな気がする……。
「それじゃあ次は森ですね」
「うむ」
「シルヴィーさんはどういう場所が戦いやすいですか?」
「我は森ならどこでも戦えるぞ」
「さっき生み出した鹿みたいなモンスター達はどんな場所がいいと思います?」
「あいつらは身体を隠せる木が生えてる場所のほうがいいと思うぞ」
「木の太さを変えたほうがいいってことですか?」
「うむ」
「わかりました。木の太さを変えるだけで大丈夫ですか?」
「ハジメ達がいいならそれで大丈夫だ」
「そうですか。じゃあ木を太くしに行きましょう」
直接見ながら調整したほうがいいと思うのでマスタールームを出るために立ち上がる。
「道は作らないんですか?」
「作ったほうがいいんですか?」
第一階層も第二階層も作らなかったから流れ的に作らないものだと思ったんだけど。
「私はそのほうがいいと思います」
「森の中を自由に動ける状況なのに自分達の作った道なんて通ってくれます?」
敵が作った道とか怪しすぎると思うんだけど。
「道を通らざるを得ない状況を作ればいいんじゃないですか?」
「どうやって作るんですか?」
「森の手前に罠をたくさん仕掛けておいて森に入ろうとして手間取っているところを森の奥から攻撃したり、森の手前に堀を作っておいて堀を超えようとしているところを攻撃したり、でしょうか?」
おぉ、うざったい。
「確かにそれなら通ってくれるかもしれませんね」
自分だったら森ごと焼き払いますけども。
「はい。三階層に着くまでに相手も消耗してると思いますし、罠だとわかっていても敵が潜んでる森ではなく舗装されている道を選ぶ可能性はそれなりに高いと思います」
「じゃあ道も作りますね」
「はい、お願いします」
「他に何かありますか?」
まだ話が続きそうなので座る。
「モンスター達が食べるための低い木や飲み水も作ったほうがいいんじゃありませんか?」
「我が輩達のご飯はダンジョンの能力で作れるよ?」
「それだと私達がダンジョンを離れてるときに困りませんか?」
「困る!」
「やっぱりそうですよね。なので用意しておいたほうがいいと思うんです」
「じゃあそれも追加ですね」
「はい。あとは少し背の高い木を何箇所かに置いて、上から様子を探れるようにしてもいいと思います」
なるほど。物見櫓ってやつか。
「そうですね。それも追加します」
「はい」
「他には何かありますか?」
「いえ、今のところはこのくらいしか浮かびません」
リューズさんに聞いてからユリスさん達の顔を順番に見ていく。
「何もないみたいなので進めますね。道の形とか大きさってどうします?」
「形は円の外側に沿って道を作るような感じで、道幅は広めがいいです」
円の外側に沿うっていうと、ドーナツみたいな形になるってことかな?
「円の大きさというか、道の長さはどのくらいがいいですか?」
「ダンジョンの壁と距離があったほうがいいと思います」
「わかりました。他に何か案はありますか?」
「特にないかな」
「私もです」
「我もだ」
「我が輩も!」
「わかりました。じゃあ道を作りに行きましょう」
全員が立ち上がり、マスタールームを出た。
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