第2話 許容Overな展開

「八雲殿、明日は徐庶と私とで漢について色々基本的なことをお教えしましょう、天下無礼御免とはいえ覚えておいて損はありません。」

と馬車に揺られながら荀彧はいう、

「そう言っていただけると幸いです先生、今日の拝謁で実感しました」

「そうですか、まあ丞相がおられますし基本的なことだけで良いでしょう許褚が申していました、わし以外武力であやつを止められるものはおらんと」

「将軍が?それは光栄な話です、そういえば先生?明日は午後にお会いしたい方がいるのですが、都にはおられますか?」

「どなたですかな?」

「司馬家の方にお会いしたいのですが、今日の拝謁の後語りかけてくださったのです」

「司馬家の者に、明日は流石に厳しいですが申し付けておきます。」

「ありがとうございます。」

屋敷に着くと夏侯惇が薙刀と弓を乗せた馬を引いて待っていた、挨拶を行い

夏侯惇に語りかける、

「初めまして、夏侯将軍どのでお間違い無かったでしょうか?」

「いかにも、私が夏侯惇だ丞相の命で貴殿に馬と薙刀と弓を持ってきた、剣は丞相から渡されるそうなのでないが」

と今の手綱を渡してくる。

「ありがとうございます夏侯将軍」

「八雲よお主は、右将軍に任じられたそうだがお主は誰のために戦う?」

と選択肢を謝るとヤバそうな選択肢を提示してきた。

「誰のために戦うですか?そうですね‥、自分のためであり天下太平のためですね」

「ほう、丞相や漢ではないのか?」

「はい」

「なかなか面白い答えだ、はっはっは!八雲よ面白い!、何か困ったことがあればわしを頼れ!助けてやろう」

「ありがとうございます将軍」

「ではな、荀彧殿もまた」

と荀彧にも挨拶すると、夏侯惇は馬にまたがり軽快に帰っていった。

「よかったですな、八雲殿」

「良かったとは?」

「おそらく丞相が夏侯惇を寄越したのは、相当期待を寄せている証拠です」

「それは?」

「夏侯将軍が小間使いのような用事を務めたのは、八雲殿を戦力としたいというのがありますが重要な位置についたとしてトラブルなく務められるか夏侯惇に見極めさせるためということが大きいように思います」

「それは言い過ぎでは?」

「いえ、そちらの薙刀は関羽に授けようとしたものの一振りで、弓は丞相が使っておられたものです」

「そんな一級品なのですか?」

「はい」

「そこまで丞相は期待をしてくださっているのですか?」

「そう考えられた方がよろしいかと」

「そうですか」


と少々戸惑いながら、荀彧に返答した。

そんな感じで門前で会話していると、入り口が開き

桜が出てきた、「おかえりなさいませ八雲さま」

と着物姿で迎えてくれた。

「桜殿も出てこられたようですし、私はこれにて失礼致しましょう」

「いえ、ぜひ家で一息ついていってください」

「明日も来ますし大丈夫です、では」

と荀彧はあっさりと家に帰っていった。

桜と2人で屋敷に入ると

「八雲さん、お疲れ様でした」

「お風呂にしますか?それともご飯ですか?」

「ご飯でお願いします」

というと、桜はキッチンに走っていった。

居間に行き、夏侯惇にもらった薙刀を眺める。

石突の部分に琥珀が使われている以外は実に無駄のないthe薙刀と呼べるシンプルな薙刀だが、175cmくらいの身長で振り回せる絶妙なサイズで作られていてとにかく持った感じが手に馴染むのである

「すごい使いやすいなあ、これを使って人を殺すことになるのか」

と独り言をつぶやいていると、桜が

「夕食ですと」と夕食を持ってきてくれた、汁物・小鉢2つ・ザーサイ・コメ・パンのような練り物とお茶を用意してくれていた

「これはコメ?」

「はい八雲様がレンかコメどちらがお好みかわからなかったので両方用意いたしました」

「ありがとう、ここでもコメが食えるのは本当に嬉しいよ。」

若干赤らめつつ桜は

「そう言ってもらえるだけで光栄でございます!」

と嬉しそうに返事してくれた。

そんなこんなでご飯を食べ終わりお風呂に入り、眠る。

そんなこんなで次の日、朝食を食べ終えた頃に荀彧が迎えにきた、

「八雲殿、おはようございますよく眠れましたかな?」

「おはようございます荀先生、割と眠れました」

「本日は、八雲殿のご要望通り司馬家の者との引き合わせをいたしましょう」

「ありがとうございます」

と馬車で司馬家の屋敷まで向かう事数分

司馬家と書かれた立派な門の前で馬車が止まる、

馬車を降りると門が開き、官服をきた老人が姿を現した。

「司馬都尉昨晩は無理なお願いを聞いて頂きありがとうございました」

「いえいえ荀彧殿にお願いされることは稀ですから、かまいませぬそちらが噂の?」と司馬都尉はこちらを向いたので

「司馬都尉様に拝謁いたします。」と挨拶すると司馬都尉は

「固い挨拶は不要でございます、八雲将軍あなたの方が立場は上ですので」

「いえ、目上の方であり経験も都尉殿の方が上ですのでそういうわけには行きません」

「今日は、荀彧殿によると我が息子にお会いしたいとか?」

「はい、司馬朗殿と司馬懿殿にお会いさせていただけませんか?」

司馬朗だけでなく司馬懿にもですか?」

「はい」

「わかりました、侯吉!」と司馬都尉は誰かを呼ぶ

すると「はい旦那様」

「司馬懿を居間に呼んでおけ、将軍がお会いしたいそうだ」

「若様をですか?」とキョトンとした表情で都尉の方を見る

するとため息をつきながら都尉は、「そうだ早く行かんか!」とキレながら侯吉に指示する、すると侯吉は「はい」と行って飛んで行った。

「さあさあ、将軍・荀彧殿中へどうぞ」と都尉は、私たちを案内してくれた。

居間に着いて腰を落ち着けると召使いらしき人が、お茶を淹れてくれたので、お茶を飲んでいると、入り口の方に侯吉とともに若いおとこが1人姿を現した。

「草民 司馬懿が右将軍に拝謁いたします」と全力の土下座が如き低姿勢で挨拶してきた。



後書き

こちらの作品も、ゆったりペースで更新再開していきます

次回は三国志でも屈指の有名どころのまだ曹操に仕えていない司馬懿との対談編です。少々ざっくり流しもしていきますが、反応の良さを見ている限り長編にしようかなと考えています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る